30. アイヌの楽器~ムックリ・トンコリ

5月の暖かい日の阿寒湖アイヌ文化
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みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか。
木彫り屋店長 まさまるです。

5月も後半に入ってきました。本日は、23℃以上になりました。外に出ると気持ちいいですね~。園児たちのにぎやかな声が聞こえてきたりして、あらためて”これだよ、これ。この時期は!“。少しでも活気がほしいこの頃です。


また、樹木たちも暖かくなると、どんどん芽吹いてきます。うれしいことですが、花粉症気味のため、目がショボショボし、くしゃみ、鼻水がつらいかなぁ~。白樺花粉が舞っています。少し前のハンノキ花粉はだいじょうぶだったのですが・・・。


それでは、芽吹き始めてまもない白樺と(コロナのため)休眠している阿寒湖遊覧船の写真です。湖は、静かです。どうぞ!

5月の白樺と休眠中の遊覧船
コロナのため休眠している遊覧船と芽吹き始めた白樺

快晴で気持ちが良いですね。

阿寒湖は、凪。静かでうたた寝してしまうほど。

バックの雄阿寒岳の雄大さ・優雅さに驚きます。

自然にかこまれているのだなぁ~!

それでは今回は、アイヌの楽器を簡単にとりあげます(初心者向けに)。


ムックリトンコリです。

詳しい説明は、また後日させていただきますが、この記事では、写真を多めに掲載していきます。

ムックリって、こんな形しているのかぁ」とか「へぇ~、これがトンコリなんだぁ

ぜひとも、ムックリ・トンコリの名前と現物を覚えてくださいね!(初心者向けです)

すでにムックリ・トンコリをご存知で、音を出すことのできる人は、写真などを楽しんでくださいね!

目次

ムックリについて

ムックリとは、アイヌ民族に伝わる竹製の楽器です。口琴楽器です(昔、竹は、北海道には無かったので、ノリウツギ(サビタ)を使用していたみたいです)。


ムックリは、口にくわえて固定し、その端を指で弾いたり、(端に結んである)ひもを引っ張ったりして、音を鳴らします。

びゅ~ん、びゅんびゅん。ベンベン、ベンベン。ビョンビョン、ビヨ~ン。


ひも付きムックリは、少し練習しないと音が出ないかもしれません。端を弾くタイプは、音はすぐ出ます。


アイヌの古式舞踊の中で、ムックリ演奏があるのですが、アイヌの演奏者は、いろいろなが出せます。いつも感心してます。あの小さくて、うすっぺらい竹の棒?で、さまざまな音色。たぶん ”奥が深いんだなぁ~”、ムックリは。

阿寒湖のイコロシアターでのムックリ演奏は、観客のみなさんは、おそらく(その音色に)引き込まれますよ~、その独特さに。生演奏ですよ~。その音で、演者の感情を表現することもできるのかな~?私自身は、まだまだ修行中です!?

ムックリの演者は、自然の風の音、その風に揺れる植物の音、雨だれの音、大地の音など、いろいろな自然の音を想像しながら演奏するそうです。

また、それだけではなく、愛しい人を想いながら演奏される場合もあるらしいです。ムックリの音色で、その奏でている人が誰だか、わかるそうです

(あなたのことを想っている)私は、ここにいますよ」。

やはり、演者の感情を表現できるのですね!

ムックリの演奏者では、帯広市の安東ウメ子さん(故人)が有名です。CDアルバム(イフンケ・ウポポサンケ)もありますので、興味ある人は、ぜひ聞いてみてくださいね!アイヌ語の講師もされていました。

ムックリ三種
ムックリの名手、鈴木紀美代さん製作 左から「ひも付き」・「端を弾くタイプ」・「丹頂鶴型」

上の写真は、自身もムックリ名手で有名な鈴木紀美代さんの製作したムックリです。

ムックリの形は、だいだい似ていますね。一番標準なのが、「ひも付きムックリ」です。

このムックリで音が鳴った時の喜びと感動は、ひとしおですね。それまであきらめないことです。いささか大袈裟にいいましたが、小学生の子供たちも鳴らしていますので、気楽にやってみてください。

ひも付きムックリをやる前に、弾くタイプのムックリで、口にくわえる感覚や音色などをつかむのもいいかもしれませんね。

ムックリは、阿寒湖で購入できますので、ぜひとも、チャレンジしてみてくださいね!(最近は、ユーチューブなどで、演奏のやり方をわかりやすく実演していますよ~)


ムックリ演奏の絵画がありますので、掲載しておきます。これは、写真を模写したものです。とても、雰囲気がある絵画です。

青山作絵画ムックリを奏でるメノコ
有名な白老アイヌの野本フラテキさん 模写・油絵 青山絹江作・「ムックリを奏でるメノコ」

トンコリについて

トンコリは、アイヌ民族に伝わる伝統的な弦楽器です。「五弦琴」。

五弦の竪琴です。

トンコリの演奏者の人が言っています。

トンコリの音は、癒しの力を持ち、人々を眠りに誘い、風を鎮めます」と。また、その音は、病魔が嫌うと云われているそうです。

ナラ材アイヌ模様入りトンコリ
ナラ材アイヌ模様入りトンコリ
ナラ材アイヌ模様入りトンコリ2
アイヌ模様入りの頭・首・耳
ナラ材アイヌ模様入りトンコリ3
アイヌ模様入り・胴体部分・弦の付け根に動物の毛皮

胴体中央には ”へそ”と呼ぶ穴があいていて、そこにラマトゥフ(魂と呼ぶガラス玉を入れるそうです。


演奏のイメージは、竪琴のような感じらしいです。私自身は、琴もトンコリもギターも演奏できませんので・・・。聴くほうですね。


アイヌのトンコリ奏者では、有名な音楽アーティストOKIさん(加納沖さん)がいます。日本各地でコンサートをたくさんしています。海外でも活躍されています。

20年以上前、真冬の阿寒湖上で、OKIさんと一緒に写真をとらせていただきました。
その節はありがとうございました。覚えてはいらっしゃらないとは思いますが・・・。

OKIさんは、彫刻家・芸術家で有名な砂澤ビッキさんの息子さんです。


それでは、トンコリの写真をもう1枚!

色塗りトンコリアイヌ模様入り
アイヌ模様入りトンコリ

学校の教材に使用されるトンコリは、シンプルでアイヌ模様は入っていないのがほとんどです。作家さんのこだわりで、価格は変わるようです。

色塗りトンコリ2
トンコリ顔・首・耳

色塗りトンコリ3
トンコリ胴・へそ
色塗りトンコリ4
トンコリ足付け根

阿寒湖のトンコリ奏者の写真・木彫りのトンコリを奏でるピリカメノコ

最後に阿寒湖で、トンコリなどを奏でたり、アイヌの古式舞踊など音楽関係にとどまらない活躍をされている下倉絵美さんのトンコリ演奏の写真です。

下倉絵美さんトンコリ遊覧船
阿寒湖の遊覧船の中でトンコリを奏でる下倉絵美さん

次は、珍しい「トンコリを奏でるピリカメノコ」の木彫りです。

上原作トンコリを奏でるメノコ(エンジュ)
上原作 「トンコリを奏でるピリカメノコ」(エンジュ材)(少し足の部分が短いかな)

以上、初心者向けに、たくさんの写真を掲載しながら、ムックリとトンコリについて解説してきました。これらの楽器については、たくさんの本や解説されたウェブがありますので、詳しく知りたいかたは、そちらで調べてみてくださいね!また、ぜひとも阿寒湖のイコロシアターで生演奏を聴いてくださいね!


それでは、みなさん、これからも『木彫り愛』、『樹木愛』の心でよろしくお願いいたします。

最後まで、お付き合いいただきまして、本当にありがとうございました!

お元気で!

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