みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。
5月のゴールデンウィーク少し前から、生活のリズムが変化し、なかなか軌道修正できずにいました。ブログの更新も1ヶ月ぶりになってしまいました。新しいリズムでまた気持ちを切り替えていきたいと思っています。
新型コロナウィルスによる規制がなくなり、阿寒湖は、徐々にですが、お客様が増えてきています。
ありがたいことです。
コロナ前にはまだまだ及びませんが、活気が戻りつつあるのかなぁ~。本州のお客様もいらっしゃっていただいています(コロナの時は、皆無!でした)。感謝です!
そんなこんなで、今回は、連休前のミズバショウを取り上げていきたいと思います(もう5月の末になってしまいましたが(汗))。
それでは、『樹木愛』の心でよろしくお願いします。
目次
阿寒湖のミズバショウ
阿寒湖のミズバショウの見ごろは、4月25日から5月10日くらいです。場所は、2箇所あるのですが、わかりやすく見やすいのが、阿寒湖畔エコミュージアムセンターの裏です。今年は、新型コロナによる規制は解除され、たくさんの人が見に来ているのかなぁ~と思いましたが、ホント静かでした。ゆっくり観察したい人には、とてもお薦めですね(特に朝)。
それでは写真を何枚か載せていきたいと思います。
歩きやすい桟橋(雪が残っている時は注意!)朝は、人がほとんどいないので、この景色を独占できます。贅沢ですね!
一面に広がる景色に目の疲れがとれますね。樹木やお花に興味がない人でも、忘れられない風景になると思います。近くには、酸素濃度日本一のボッケ自然探勝路があります。その遊歩道は、自然の森に囲まれた癒しの空間です。のんびりと自然観察できますよ!ボッケ自然探勝路は、ミズバショウを皮切りにこれからいろいろな花が咲き、樹木たちが芽吹いていきます。秋の紅葉まで楽しめる遊歩道です。そして、雪が降る季節は、静寂とした世界がまるで異空間かのように広がっています。
ここで、ミズバショウの基本的な情報を。
ミズバショウは、サトイモ科。ヘビノマクラとも言う。草の高さは、花が咲く時では、10~15cmくらいになり、後に葉が伸びて1m近くになる大型の多年草。果実は熟しても緑色。花期は4~7月。低地から亜高山の湿地や水辺。北日本や本州の中部以北。
アイヌ文化とミズバショウ
アイヌ文化では、ミズバショウのことをパラ・キナ(北海道西南部や北部)、イソ・キナ(北海道東部)と呼んでいます。パラ・キナとは、広い草の意味で、葉っぱの幅が広いことを意味します。イソ・キナは、熊の草という意味です。
ミズバショウは、食べれそうで、食べることができません(鹿ですら食べません)。そんなミズバショウですが、冬眠明けの熊が下剤代わりにミズバショウを食べるという有名な話しがあります。
熊は冬眠する前に、「止め糞」と言って、肛門の出口をふさぐために肛門から10cmくらいのところまで糞で詰まっているらしいです。その糞は、腸の中に入っても発酵しない枯れた素材、例えばウドやナラの木の皮の硬いところや、コクワズルやブドウ蔓の硬いところ、立ち枯れしているアマニュウやハンゴンソウ、ヨブスマソウなど。そういったものを冬眠する前に食べて、腸を塞ぐらしいのです。一週間くらいで止め糞は出来上がるそうです。こういう状態になると、熊は、冬眠中の穴では、何も食べなくなるそうです。
ここで、ミズバショウの出番です。春、(冬眠していた)穴から出た熊は、そのままでは(止め糞があるため)何も食べられません。そこで、下剤代わりにミズバショウを食べるそうです。ミズバショウの他にもフキノトウやアマニュウを少し食べるそうです。止め糞が出たら、熊はミズバショウをそれ以上食べません。あくまでも下剤代わりだそうです。
熊の話しが長くなりましたが、人がこれを食べると大変らしいです。特に根茎はアルカロイドの毒があります。昔の開拓者が味噌汁に入れたら口の中が腫れふさがってしまうほどひどい目にあったなどの話しがあります。過去の研究者の資料によると、膿種(のうしゅ)にミズバショウの葉っぱを貼ると吸出しの薬効があったそうです。その他には、発汗剤にも使用したそうです。口には絶対しない植物ですね。
他には、ミズバショウの葉っぱが大きいことから(長さ幅とも35~50cmくらいになる)、物を包むのに利用されたという記録が残っています。
アイヌ文化では、あまり役には立っていなかったらしいですね。
ミズバショウがある木彫り作品
木彫り作品に扱われる花は、圧倒的に、ハマナスが多いです。次にスズラン、クロユリです。ミズバショウは、ホントに少ないですね。少しですが、その作品を紹介してみたいと思います。
北海道の木彫りをよくご存知の人には、有名な作家さんですよね。賀上さんは、センノキの作品が多いですね。クマ、フクロウ、フルーツ皿などの菓子器など幅広く彫られていました。現在も、洞爺湖地域で作家活動をしています。お客様からの情報では、仏様やお地蔵様?などを彫られているようです。今回は、その賀上さんのフクロウです。ミズバショウのデザインはとても珍しいですね。
髪どめなどのアクセサリーでは、置物やレリーフに比べてミズバショウのデザインはあります。現在では、アイヌ文様が一番多くなっています。
以上、ミズバショウのある木彫り作品でした。また、珍しい作品がありましたら、どんどん紹介していきたいと思います。
それでは、最後までお付き合いしていただきまして本当にありがとうございました。これからも『木彫り愛』、『樹木愛』の心でよろしくお願いいたします。
追加です。作家さんは不詳ですが、今度、古くから木彫りに携わっている問屋さんに聞いてみたいと思います。とても美人なメノコですね。彫りは、そんなには深くはないのですけど、このメノコのデザインには、ちょうどいい深さかも知れません。レリーフのミズバショウは、ホント見かけないですね。
コメント