72. 佐々木正三さんの作品~少し年代物の木彫りでもなかなか味わいがあるものですね!

阿寒湖天園2022年アイヌ文化
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みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。

阿寒湖では、2022年の年明けから2,3回大雪になりました。でも、ここ3週間くらいは雪が少なく助かっていたのですが、そうは甘くなかったみたいです。
3週間ぶりに大雪になりました。久しぶりに雪かきをすると体にこたえますね。日頃の鍛え方ですかね。


2年ぶりに雪像を作ってみました。1月末に作ったキティちゃんです。ウサギの被り物を着ています。なにせ寒いですから。ニャンコですから(ネコはコタツで丸くなる)。製作には1時間半かかりました。
-6℃と暖かかったので助かりました。

ウサギの着ぐるみのキティちゃん(2022.1 阿寒湖)

今回は、30年以上前の佐々木正三さんの作品を、6点紹介してみたいと思います。

佐々木さんは、私は面識はないのですが、現在は、洞爺湖畔で、ご家族で、宿泊施設があるレストランきつつきカナディアンクラブを営んでいるそうです。いつか訪ねてみたいですね。

それでは、みなさん、『木彫り愛』の心で、リラックスしてお読みくださいね。
よろしくお願いします。

目次

①野バラのピリカメノコ 

正三さんの1品目は、アイヌの女性を扱った作品です。何ともいえない表情ですね。現在、このような作品を彫る作家さんは少ないです。それでは、ご覧くださいませ。

野バラのピリカメノコ 1 佐々木正三作
野バラのピリカメノコ 2 佐々木正三作


材料は、シナノキです。木目を消さないくらいに薄く着色してあります。


細かい彫りではないのですけど、そこがかえって、温かみのある優しいメノコの表情がでているような気がします。


なかなかいいですね~!

人それぞれ好みはありますので何とも言えませんが、私は、こういう素材を生かした素朴なやさしい作品、好きだなぁ~!

では、次の作品を見てみましょう。

②ハマナスのピリカメノコ 

この作品もピリカメノコを題材にしています。早速、見ていきましょう!

ハマナスのピリカメノコ 1 佐々木正三作
ハマナスのピリカメノコ 2 佐々木正三作

ハマナスのピリカメノコ 3 佐々木正三作
ハマナスのピリカメノコ 4 佐々木正三作

先ほどの「野バラのピリカメノコ」とは雰囲気が変わっていますね。材料は、シナノキです。やはり、薄く着色しています。

ハマナスの彫りが、深いですね。ぐぅ~んと浮かび上がってきてます。メノコの表情も豊かですね。なんだろう?見れば見るほど、惹きつけられてしまう作品ですね。

③ピリカメノコの立ち姿

次の作品は、全身像です。シンプルな作品ですが、注目です!

ピリカメノコ立ち姿 1 佐々木正三作
ピリカメノコ立ち姿 2 佐々木正三作

ピリカメノコ立ち姿 3 佐々木正三作
ピリカメノコ立ち姿 4 佐々木正三作

材料は、シナノキです。着色も透明ワックスなども塗っていません。素のままです。2番の写真はフラッシュを焚いてしまいましたので、色が違って見えますが同じ作品です。


この作品も素朴な彫りになっています。でも、この作品は、見る人にまるで何かを訴えかけるように、みなさん、この作品の前で足を止めます。男性女性区別なく、吸い寄せられていきます(あれ~~!ってクルクルまわりながら(笑))。


細かい写実的な作品とはまた違ったオーラがあるのですね。


以上、ピリカメノコ3点でした。
次からの3点は、アイヌの男性の顔や姿の作品です。メノコの雰囲気とはガラッと変わります。勇気のある方だけ見てくださいね。

④目で物を言う!この圧、素晴らしきかな!アイヌの男

百聞は一見に如かず。早速、作品を見てみましょう!

アイヌの男 1 佐々木正三作
アイヌの男 2 佐々木正三作

アイヌの男 3 佐々木正三作
アイヌの男 4 佐々木正三作


いかがでしたでしょうか?
この圧力、半端ないですよね。いろいろな木彫り作品がある中で、必ずこの作品は、「圧!ベスト10」にはランクインすると思います。昔の作品は、(作家さんが多かったというのもありますが)こういう個性のある作品がたくさんあって、おもしろかったですね!何を彫っても許されるというか、(いい意味での)イケイケの自由な雰囲気がありましたね。もちろん、競争は、激しかったですけどね。

この目と唇、一回見たら忘れられないですよね。


次の作品こそ一回見たら忘れられない作品の代表です。それにしても、正三さんの作品は、インパクトが大有りで、ホントすごい!

⑤酒飲みエカシ

“まぁ、そんなに慌てないで、酒でも飲みながら、ゆっくりしようや!だいじょうぶ、だいじょうぶ”。

そんな会話が聞こえてきそうな作品です。これをご覧になるみなさんは、どんな会話を想像するでしょうか?

酒飲みエカシ 1 佐々木正三作
酒飲みエカシ 2 佐々木正三作
酒飲みエカシ 3 佐々木正三作

酒飲みエカシ 4 佐々木正三作


みなさんは、この作品をご覧になって、どんな会話を想像しましたか?

アイヌの人々の生活の一部を表現した作品ですね。とてもユニークな作品ですが、彫りがこれまた、すごい!

下の台座からすべて1本で彫られています。
また、アイヌの男が来ている着物全体に、細めの丸刃で、手間をかけて彫り込んでいます。

エカシの酔っ払っている表情もおもしろいですね!
この作品は、見たら忘れられませんよね!

では、次は、最後の作品になります。

⑥燃える男!みなぎる熱い想い!アイヌの男のレリーフ

この作品は、少し大きめの壁掛け(レリーフ)です。佐々木正三さんは、壁掛け作品を数多く残しています。ピリカメノコの作品が圧倒的に多いですね。やはりすごい表現力です。

アイヌの男のレリーフ 1 佐々木正三作
アイヌの男のレリーフ 2 佐々木正三作

アイヌの男のレリーフ 3 佐々木正三作

(この作品の)アップは、迫力がすさまじいですね!
この時代、顔のレリーフでは、正面彫りは珍しかったですね。7~8割の(顔の)レリーフは、(顔が)横向きでしたね。


壁掛けは、(水彩画や油絵のような)絵画と同じような見方で良いと思います。これこそ好みが優先されますね。

インパクトがある作品が好きな方は、この作品などお薦めですよ!自分の魂を鼓舞するような力強さがありますよね。感じ方は、人それぞれでいいと思います。

木彫りに関してみれば、フクロウの木彫りやレリーフは、(彫りや作家名などがありますが)まず”自分の好き嫌い”が第一です。

以上で、佐々木正三作の木彫り作品を6点、紹介しました。

昔の作品ですが、いい味がありますね。その当時は気がつかなかった作品の良さ(味)を今になってわかり始めているこの頃です。

それでは、みなさん、これからも『木彫り愛』の心で、よろしくお願いします。

最後までお付き合いしていただきまして、本当にありがとうございました!

お元気で!

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