78. 木霊の楽園!北海道!樹木をみよう~(20)キタコブシとアイヌ文化

アイヌ文化
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みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。

五月も末になりつつあります。連休明けから道東では、サクラが開花し始め、花の季節になってきました。楽しみです。一日一日、変化してゆく樹木たちに、たくましさと哀愁を感じるこのごろです。


今回は、春を告げる代表的な樹木キタコブシを見ていきたいと思います。まだ灰色の景色の森の中で、このキタコブシの白い花がひときわ目立ちます。目を奪われます。この花を知らなかった時は、なんで枝の先端に白いハンカチ(布)がかけてあるのかなぁ~、しかもこんなにもたくさん(驚)!今思うと、はずかしい(汗)。樹木に興味がなかった頃の苦い思い出です。これがキタコブシの花だったのですね。

今では、何だかキタコブシの花が咲き出すと心身が引き締まります。さぁ、これからだぁ~!と自分を引き締める意味でも、自分には、キタコブシの白い花は、観光シーズンが本格的に始まる合図です。もちろん5月の連休がスタートですけど、シーズンに入ったという緊張を実感するのは連休明けだったりします。

それでは、阿寒湖畔のキタコブシを中心に、アイヌ文化との関わりなども含めて見ていきたいと思います。『樹木愛』の心で、リラックスしていきましょう!よろしくお願いします。

目次

キタコブシの基本情報

キタコブシはモクレン科です。北国にいち早く春の訪れを告げる大きな白い花が特徴です。花の香りは良い香りです。4月から5月に開花。

樹高15~20m、太さ40~60cmになる落葉広葉樹です。

葉のつき方は、互生で、葉っぱの大きさは、長さ10~17cm、幅6~10cm。
花びらは6枚、がくが3枚あります。


キタコブシの特徴は、何と言っても、大きく開く白い花です。他のモクレンとの区別は、花の開き方だそうです。例えば、ハクモクレンはふつう上向きに咲いて、広く開かないそうです。また、モクレンの花は赤紫色です。

北海道の銘木として取り上げられているキタコブシは、三笠小学校のコブシ(三笠市)寿都保育園のコブシだそうです。


市町村の木として指定しているのは、岩見沢市、中富良野町、厚真町、蘭越町などです。指定されるのは、納得できますね!街路樹のキタコブシの白い大きな花には、春、癒されますもんね!特徴もあるし!

コブシの言い伝えでは、コブシの花が上向きに咲く年は天気がよく、横向きに咲く年は雨が多いらしいです。今年は、どうだったかな?

コブシの利用としては、樹皮や芽、花は薬用や香辛料にします。つぼみは蓄膿症、鼻炎による頭痛、鼻ずまりに効きます。へぇ~、って感じで知らなかったことばかりですね。

名前の由来は、一説では、ボコボコした形の果実が、人の握り拳(こぶし)に似ることから名がついたそうです。

阿寒湖畔のキタコブシ

それでは、写真を中心に阿寒湖畔のキタコブシを見ていきましょう!やっぱりボッケ自然探勝路(ボッケ遊歩道)ですよね!何度も書いてきましたが、日本一の酸素濃度の濃い遊歩道らしいです。

阿寒湖畔ボッケ遊歩道入り口のキタコブシ1(2022.5)
ボッケ入り口のキタコブシ2(2022.5)

ボッケ遊歩道入り口に、一本の樹木が歩道を包み込むように木のトンネルをつくっています。何でこんな伸び方をしたのかわかりませんが、歩道の上をトンネルのように横断している木がキタコブシです(白い花が咲いている時はキタコブシだとわかりますけど、花がない時はなかなかわかりませんね)。

ちょっとしたトンネル、キタコブシ3(阿寒湖畔、2022.5)
阿寒湖畔ボッケ遊歩道、キタコブシ4(2022.5)

さらに進んで、湖に近づいていきますと、ボッケがあります。匂いですぐわかります。そのぼこぼこしているボッケのすぐそばに、キタコブシがあります。

キタコブシ5(阿寒湖畔ボッケ遊歩道、2022.5)
キタコブシ6(2022.5)


そして、ボッケを少し通り過ぎて右側に行くと、石川啄木の碑があります。その近辺にもキタコブシが咲き誇っていました。きれいでしたよ(嬉)。

キタコブシ7(阿寒湖畔ボッケ遊歩道、2022.5)
キタコブシ8(2022.5)


5月の連休明けの、キタコブシが咲く、阿寒湖のボッケ遊歩道でした。

遊歩道の入り口からキタコブシの白い花が出迎えてくれていましたね。そして、ボコボコと煮え立っているボッケを見渡すように(キタコブシの)白い花がきれいに咲き誇り、湖沿いの石川啄木の碑の近辺でも静かに咲いていました。まだ他の花が咲いていない時期ですので、すぐにわかります。

遊歩道で人気がない時、キタコブシが気持ちよくのびのびと咲いているのを見て、心細さがなくなりました。ありがたかったですね。5月の連休明け、ぜひとも阿寒湖自然探勝路(ボッケ遊歩道)を歩いてみてくださいね!

アイヌ文化とキタコブシ

アイヌ語では、キタコブシのことを「オプケニ」といいます。

なんと意味は、放屁する木だそうです。あらまぁ(驚)。

別名を「オマウクシニ」。そこを・いい香りが・通っている・木。


以前にも紹介しましたが、アイヌ文化では、病魔から逃れるために、故意に、汚い変な名前をつける風習があります。例えば、子供の名前を、うんち、とか。そうすると病魔が避けて通ってくれ、弱い子供の健康が守られると信じていました(きれいで、かわいい名前では、病魔が喜んで近づいてくると考えていました)。もちろん、後に改名はしています。


これと同じように、キタコブシも故意に、おならをする木と呼ばれています。
実際のキタコブシは、花は良い香りがし、枝を折ったときの匂いも爽やかな匂いらしいです。良い香りの木、などと名付けたら、悪い魔人が近づいてくるのですね。

アイヌの人々の一部では、キタコブシの花が、横や下向きに咲いたら、風が強く、凶作。花が上向きに咲いたら豊作になるという言い伝えが残っているそうです。

先ほどのキタコブシの基本情報では、下(横)を向いたら、雨が多く天気が悪い。上を向いたら天気が良いでした。

花が上向き=天気が良い=豊作。
花が横や下向き=天気が悪い=凶作。

自然の摂理ですかね。

としては、キタコブシの樹皮の削りくずは、温湿布になったそうです。

また風邪を引いたときなどは、キタコブシの皮などを煎じて盛んに飲まれたらしいです。効果があったのですね。
キタコブシやエゾノウワミズザクラを水に入れて飲んだらおいしいという記録も残っています。
木材は、やわらかすぎてあまり使い道はなかったそうです。

以上、アイヌ文化でのキタコブシでした。また何かありましたら加筆していきたいと思っています。春に花をつける樹木としては、本当に目立ち、華麗で、癒しをもつ印象を受けました。
また来年の春が楽しみです!


それでは、最後までお付き合いしていただきまして、本当にありがとうございました。これからも、『樹木愛』、『木彫り愛』でよろしくお願いいたします。それでは、ごきげんよう!


(参考資料)
・知りたい北海道の木100 (佐藤孝夫著 亜璃西社)

・新版北海道の樹 (辻井達、梅沢俊、佐藤孝夫著 北海道大学図書刊行会)
・アイヌ文化 草と木樹 郷土学習シリーズ9(斜里町立知床博物館)
・アイヌと自然シリーズ第3集 アイヌと植物 樹木編(アイヌ民族博物館)
・コタン生物記 樹木・雑草編 (更級源蔵、更級光著 青土社)
・アイヌ植物誌 (福岡イト子著、佐藤寿子挿画 草風館)
・森林で遊ぼうシリーズ1おもしろい木の話(北海道立林業試験場監修、北海道林業改良普及協会発行)

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