みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。
今回は、「木彫りの熊の”彫り”かたの種類」について、さらっと簡単に説明します。
(彫りって言ってもたくさんあるんですけどね。今回は、毛並みなどのホント基本的なものをお伝えします。)
この記事を読むと、「木彫りの熊」のことが39%理解できます(ちなみに前の記事パート1,2,3を含めてのパーセントです!?)。
深いなぁ~、「木彫りの熊」って。
道のりは長いけれど、それがまた楽しかったりしてね。
それでは、みなさん、『木彫り愛』の心で、気長にリラックスしていきましょう。
それでは、よろしくお願いします。
目次
毛彫り・焼き・つるつる(てれ)・カット(面彫り)
見出しにあげたように、この4つを覚えていただければ、基本的にはOKです。
・毛彫り
・焼き
・つるつる(てれ)
・カット(面彫り)
それぞれ写真を見ながらいきましょう!
毛彫り
こちらが、「毛彫り」の熊です。
文字通り“毛を一本一本”、スジを入れて彫っています。スジ彫り、という人もいます。
こちらも「毛彫り」ですね。
熊の頭からおしりにかけて、中央に分けめがあり、人間の髪で言うと、真ん中分けみたいですね。
また、注意して見ていただくと、毛がストレートだけではなくて、パーマをかけたようにひねっているところがあります。
このように、「毛彫り」もいろいろあります。
こちらの「毛彫り」は、一本一本が短くて細かいです。人間でいうと短髪です。スポーツ刈り、というところまではいかないかな。
短いということは、手数が多いということになります。
「毛彫り」(スジ彫り)には、だいたい次のどれかになります。
・ストレート(直線)
・パーマ(ひねり)
・短くて細かい
一番手間ひまがかかるのは、「短くて細かい」毛彫り(基本的に「毛彫り」時間はかかる)
*昔、木彫りの熊が最盛期の頃、「毛彫り専門」の職人さんもいました。
焼き
「焼き」については、これまでもたくさん写真を掲載してきました。
「木目を強調して生かす」。これに尽きます。
「焼き」の熊は、一見するとツルツルなので、
毛彫りの熊とくらべると、毛を一本一本彫ってないので、”簡単だぁ~、楽ちんだぁ~”と思われがちです。
しかしそれは違います。
きれいに木目を生かすための「ヤスリがけ」が大変なのです。バーナーで焼き目を出すにしろ、その焼き加減が意外と難しかったりします。
きれいな木目ですね。
作り手が好む木目になっていきます。
「木目好き」の人には、ホントおすすめできますよ。
*北海道のかわいい熊で超有名な「熊ぼっこ」。
これも「焼き」なのですが、その加減がとても 難しい、油断すると真っ黒に、と作り手が話してました。
・「焼き」は、木目の美しさを強調する!
・「ヤスリがけ」の作業が意外と大変
・油断すると焦がしてしまうこともある
つるつる(テレ)
「つるつる」って、なんか変な言い方なのですが、今回はこの言い方で。
これもこれまで何度か写真を掲載したのですが、また見てみましょう!
「焼き」ではないつるつる、ということです。
素材の良さ・魅力を意識してます。
“素の私を見てぇ~”って感じですかね。
また、「ヤスリがけ」が大変になります。
それと、”素材選び”です。
作り手のお目にかなう良い材料が使用されます。
これも「焼き」ではない”つるつる”です。
赤茶の塗料を使用しているので、
「赤テレ」(赤仕上げ)と呼ぶ作り手もいます。
やはり、「ヤスリがけ」して磨く作業は大変ですね。
しっかり木目を生かしています。
・「つるつる」は、特に着色なしの「つるつる」は素材の美しさ・素朴さの魅力を意識している
・木目を強調している(着色タイプ)
・やっぱり「ヤスリがけ」は大変で、「つるつる」熊は、手抜きではないですよ~
カット彫り(面彫り)
「カット彫り」は、先の幅の広い彫刻刀(平ノミ、広口の丸刀などの彫刻刀)で、形を整えていく彫りかたです。
「毛彫り」や「焼き」、「つるつる」にくらべたら、作業時間はやや短くなります。
でも形自体は、変わらないし、技術はひけをとらない。
「カット彫り」は、彫り手の”勢い”が感じられる作品が多いです。
木目は、あまり目立ちませんが、なんというか、「木彫りの熊」のやわらかさ・やさしさにふれられる感覚を覚えます。(これは主観的です)
では少し写真を見てみましょう。
「毛彫り」のような細かさはないのですけれど、
なんというか、作品のやわらかさが感じられます。
前の写真のアップです。
この作品の場合は、しっかり木目も出ていますね。
こちらの作品では、木目は消えています。
やはり「毛彫り」のような細かさはありませんが、思わず、なでなでしたくなるような、そんなやわらかさがあります。(鮭捕りに成功して、喜んでいるのか!?)
・「カット彫り」には、「毛彫り」のような細かさがないが、形自体・技術はまったくひけをとらない。
・「カット彫り」の木彫り作品はやわらかさを感じられるものが多い(かも)
以上、4パターンを解説してきました。
一番違いがわかるのは、実際、手にとって見ることですね。
なんだかよくわからないけど、感覚的に、ホントそれぞれの良さが伝わってきますよ。
やっぱ奥深いなぁ~!そこが逆におもしろい(なにが逆だがわからんが)。
では今回はこの辺でおしまいです。
最後までお付き合いしていただきまして本当にありがとうございました~。
お元気で~!
次回は、いろいろな木で彫られた「木彫りの熊」をみていきまーす。
「”木彫りの熊”好き」の方には読んでほしい~価格の違いがわかる!「木彫りの熊」の見方 基本編1 鮭をくわえた四つん這いの熊(シナノキ)
基本編2 後ろ側の彫り方(肩やおしり)
基本編3 塗装などの仕上げ方について
基本編5 エンジュ材・埋もれ木(神代木)の熊
基本編6 イチイ材・センノキ・クルミの熊
基本編7 覚えておきたい熊の形10種類 前半(1~5)
基本編8 覚えておきたい熊の形10種類 後半(6~10)形が複雑に
基本編9 表情熊について
基本編10 形のユニークな熊
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