みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。
今年の秋は、長いですね~。暖かいです。寒がりの自分としては、とてもうれしいです。晩秋が、ふんばっていますね(徳俵に足が余裕でかかってますけど)。
紅葉の期間も長くなっています。
(あくまで自分にとって)珍しい、ブルーベリーの紅葉の写真から載せたいと思います。ブルーベリーって、そうです、あの食べられるブルーベリーです。目に良いって言われる果物?ですね。
ずっと身近にあったのに、今まで注目してこなかったです。気がつきませんでした。「人は、自分の見たいものだけを見ている」ってよく言われていますけど、本当ですね。
先日、とりあげた(木彫りの熊14)ブログの、シソ(大葉)の電飾のようなかわいらしい花と同じように、(ブルーベリーの紅葉も)今年になって初めて目にとまりました(何年も気がつかなかった(汗))。びっくりですね!
せっかくですので、今年8月初旬のブルーベリーの花の写真も載せておきます。
かわいいお花ですね。果実は食べられるし、紅葉もきれいだったのですね。
もう少ししたら、11月中旬までには、雪囲いするからね~!来年もよろしくね~!
では今回は、アイヌ文化における衣服の材料として有名な「オヒョウ」の木を、写真を中心に簡単に見ていきたいと思います。
皆さんに、少しでも外に出ていただいて、自然の樹木やお花を見たり、散歩して大空を見上げたりして、日頃のストレスを軽減していただければ、うれしいです!
それでは、『樹木愛』の心で、リラックスして、楽しみながらいきましょう!
目次
オヒョウの基本情報
まずは、オヒョウの木の写真です。
オヒョウ ニレ科 落葉樹
*高さ20~25m、太さ60~100cm
*葉っぱ・・・長さ7~15cm、幅5~7cm、葉の先は3~7つに分かれるか、または、分かれずにとがる。
二重のギザギザがあり、左右不ぞろい。
両面に毛が生えてザラザラしている。
側脈は、10~17対。
葉柄(ようへい)は長さ3~10mm。
互生する。
オヒョウは、とても成長する樹木ですね。大木!太さ100cmってすごい!ヤチダモも確かそのくらいでしたね。
葉っぱが特徴的なので葉っぱを観察するとわかりやすいですね。葉っぱの先が「角のように」なっていますね。
あと、葉っぱを触ることができれば、両面ザラザラしているそうです。でも、樹高があるから、その分、葉っぱも上の方についているのですよね~(涙)。双眼鏡があれば便利ですね。
*幹・・・灰色~灰褐色で浅く縦に裂ける。
*花・・・目立たない。葉が出る前に咲く(ハルニレと同じ)。
同じニレ科のハルニレとは、葉っぱの形、幹の感じなどで区別できますね。特にやっぱり、葉っぱですね。
では、葉が散ってしまった冬はどうすればいいか?
冬芽(ふゆめ)で区別できるようです。自分はまだ観察していませんが、オヒョウの冬芽は、無毛らしいです。
ちなみに、果実では、ハルニレとの違いは、果実の先にあるようです。オヒョウに場合は、果実の先がくぼまないで、ハルニレは、くぼむそうです(見方が何となく難しそう)。
実際、観察してみないとなかなかイメージがつかめないですね(涙)。外に出て、散歩ついでに気楽に見てみようと思っています!
幹に関しては、自分の感覚では、シナノキに似ているような気がします。ハルニレは、オヒョウと同じ科ですが、ハルニレの方が、はっきり縦に裂けているような感じがしますね。
オヒョウの木が生えている場所は、谷沿いや山地の中腹以下が多いそうです。ハルニレは、(オヒョウにくらべて)湿地寄りらしいですね。
阿寒湖畔では、ハルニレがホントたくさんありますね!豪快に!
オヒョウは、今のところ、自分の身近な場所では、3ヶ所チェックしています。これから、どんどんチェックポイントを増やせていけたらいいなぁ~、と思っています。
アイヌ文化とオヒョウの木
オヒョウは、アイヌ語では、「アッニ」(樹皮の木)といいます。
「アッ」とは、本来、内皮からとった繊維のことをいうそうです。
また、知里(ちり)真志保博士によれば、「アッ」とは、元来、ひも(ひもをとること)をいうそうです。
繊維をとる有名な樹木は、やはりこの3つ!(織物の材料となる樹木)
・オヒョウ
・シナノキ
・ハルニレ
特にオヒョウは、ひもとして最も適しているうえに、柔らかく、丈夫なので、布に織って着物をつくったそうです。
この樹皮衣を「アットゥシ」(厚司)といいます。
厚司に関しては、本州から機織(はたおり)の技術と道具が入り、樹皮の繊維から糸をとることが、(手間のかかかる作業ですが)それまでよりも早くできるようになり、たくさん織られるようになりました。
衣服には、(オヒョウの)中間の繊維皮が素性がよく、あとは、サラニプ(編み袋)やチタラぺ(ゴザ)の染皮などに使用されたそうです。
オヒョウの樹皮から着物ができるまでを、いろいろな資料や書物で、写真を載せて説明していますので、機会がありましたらチェックしてみてくださいね。
作業1 立ち木から皮を剥ぐ
作業2 外皮と内皮を分ける
作業3 川や温泉に漬ける
作業4 洗ってぬめりをとる
作業5 乾かす
作業6 機織り
大雑把な工程を書きましたが、機織りにいくまで、とても大変ですね。時間がかかりますね(気が遠くなる~)。
アットゥシ(厚司)が出来上がるまでの心
オヒョウの木の樹皮の写真です。
アイヌの人々は、まず、「木」のことをどのように考えていたのか?
ある資料では、このように書かれていました。
(木は)山に座っているカムイ(一応ここでは、神と訳しておきます)であって、樹皮をはぐのは、大切な衣服をいただくこと。
だから、(カムイへの)捧げ物が必要で、(アイヌの人々は)酒やたばこ、米、麹、ごはん、木幣(イナウ)などを捧げてから山に入り、樹皮をいただいたそうです。
また、あらかじめ「火の神」に仲介してもらってから、樹皮をいただいたそうです。「火の神」は、アイヌ(人間)がさまざまな神に、お願いや抗議など諸々のことを申し出る時に、その仲介役をやってくれる神様なのだそうです。その際に使用されるのがイクパスイといわれる道具です(写真はまた後日)。
例えばこんな風に言っていたそうです。
「火の神を通じて頼んであるが、あなたの着物を頂かせて下さい。そのかわりこれを差し上げます」。
オヒョウの樹皮を剥ぐのは、水分をよく吸っている春の時期がもっともよいそうです。
陽がよくあたる南側の木の根元にタシロ(山刀)で切れ目を入れ、両手で下から上へ向かって勢いよく一気に剥ぎ取るそうです。
・オヒョウは、下から上へ
・シナノキは、上から下へ
ちなみに、アイヌ語で木の皮を剥ぎに行くことを「アッケプ」といいます。
次にこれは大事なことらしいのですが、樹皮を剝ぐうえでの次のような注意があります!
それは、丸裸にしないことです。丸裸にすると枯れてしまうからです。では、どうするのか?
北側の皮の薄い部分(腹)は残して、「風に飛ばされるといけないから、帯をしてあげる」のだそうです。
・南側の樹皮(厚い)が、「背中」
・北側の樹皮(薄い)が、「腹」
「腹」の方の樹皮を残すということですね。
では、どのようなオヒョウの木が最適なのか?
直径20~30cmくらいの太さの真っ直ぐな立木が「いい木」なのだそうです。時期は、春。下から上に剝ぐ。その前に、山の神様への捧げ物は忘れずに!剝いだ後の、アフターケアーもしっかりと!
アイヌシアター「イコロ」の近くで、オヒョウの若木を見つけました。その写真です。
以上、写真を中心に簡単に「オヒョウ」の木についてみてきました。
ちなみに、アイヌの神様の物語では、オヒョウは、オヒョウ姫になっています。父は、雷神!えっ、雷神。そうです、あの雷神です。ハルニレのチキサニ姫の夫です。
この話しは、またいつか、と思っていますが、雷神とチキサニ姫(ハルニレ)の子供が、アイヌラックルです。
雷神とオヒョウ姫(オヒョウ)の子供が、ポイヤウンペ(小内陸人・北海道人)です。
チ
キサニ姫、オヒョウ姫それぞれ赤ん坊に(樹皮の)着物を着せたことから、人間が、ハルニレ、オヒョウの繊維で衣服を作ることを覚えたそうです。
・チキサニ姫ーアイヌラックルーハルニレの樹皮衣
・オヒョウ姫ーポイヤウンペーオヒョウの樹皮衣
アイヌの人々の神様については、追々ゆっくりと書いていきたいですね!
いっぺんにやると頭の中が混乱してしまいますね。
では、今日はこのへんで。
最後まで、お付き合いしていただきまして、大変ありがとうございました!
お元気で!
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