前回のポイント
鮭をくわえている熊(四つん這いの形)の場合は、鮭を見よ!
・鮭がまっすぐ伸びているか、ひねっていたり、跳ねてたりしているか。
・鮭のエラやヒレが線で表現されているか、立体的に浮き彫りになっているか。
みなさん、こんにちは~。
木彫り屋店長 まさまるです。
ごきげんいかかがですか~。
今回は、木彫りの熊の後ろ側(正面ではない)の彫りについてみていきます。
今回の記事を読むと(前回の記事も含めて)
木彫りの熊のことが35%わかります(あくまで四つん這いの熊に関して)。
やっぱり熊は“奥が深いなぁ~”ってつくづく思います。
前回も申したように、これだけはご了承くださいね~。
それは、「この熊が、良いとか悪いとか、また価値がある、価値がない」とかでは決してない、ということです。
たくさんある木彫りの熊の中で、ひとつの見方を提示して、参考にしていただければいいなぁ、という思いで書いています。
また、ぜひとも、『木彫り愛』の心をもって温かい気持ちで記事を読んでいただければ、うれしいです。
では、よろしくお願いします。
木彫りの熊の後ろ側(肩・背中)について
次の写真2枚を見比べてみてください。
熊たちを横からみてみました。
・最初の熊(A)
肩から(上から)足先にかけて、垂直にストーンと落ちています(定規がぴったりくっつく感じになっています)。
・次の熊(B)
肩から足先にかけて、(正面の方に向かって)ななめに落ちています(内股になっている感じ)。
では上から見てみましょう。
熊(A)は、肩からおしりのラインが少し曲がっていますが、ほぼ真っ直ぐです。
熊(B)は、かなり湾曲しています(肩の盛り上がり、肉付きがいいです)。
他の熊を見る前に、次のことを確認してみましょう。
肩からおしりのライン。
肩・おしりの盛り上がりや肉付きを注目してみよう!
いろいろな熊の肩やウエスト、おしりを見てみよう!
とても肉付きがいいですね。
太りすぎ?
それだけ刃物(ノミ・彫刻刃など)を入れている(使っている)ということですね。
肩がしっかり盛り上がっています。
ウエストが細くなってからのおしりの盛り上がり。
こちらの熊も背中のラインを見てみます。
肩が盛り上がり、ウエストが細くなり、おしりが盛り上がる。
この熊は、少し特殊です。
この熊の形は、「いかり熊」といいます。
前足を”おら、どうだー、ガオ~”と手を持ちあげて威嚇しています。
3本足でバランスをとらなければなりません。そこが彫りのレベルが高い。
背中側の前足は、肩から足先にかけて、垂直に落ちるか外側に広がる傾向があります。ふんばっている感じです。
前の「いかり熊」の続きです。
正面から見たら、肩が盛り上がっていたのですが、横から見たら、肩から足先にかけてストンと垂直に落ち気味です。
3本足でバランスをとって、ふんばるためにこうなる傾向があります。
熊の形によって、見方が異なることの一例です。
・肉付きを見てみよう! 肩・ウエスト・おしりをチェック!
・正面から、横から、背中側からも見てみよう!
・3本足でバランスをとっているような熊などは、見方が異なることもある(表情熊など)。
(表情熊については、また後ほど「木彫りの熊の種類」の時にふれたいと思います。
以上みてきました。
肉付きの良い熊ほど、たくさん刃物(ノミや彫刻刃)が入ることになります。
時間もかかります。
今回は、木彫りの熊の背中側(うしろ)の彫り方をざっと解説してきました。
もちろん「表情熊」などの例外はたくさんありますので、これが絶対ではありません。
基本的に「普通の四つん這いの熊」にあてはまることが多いと思います。
それでは、みなさん、ぜひとも、『木彫り愛』の心をもって、実際、木彫りの熊を手にとって正面から、横から、うしろから回しながら観察してみてくださいね!
次回も「木彫りの熊3」です。お楽しみにー。
最後までお付き合いしていただきまして、本当にありがとうございました!
お元気で!
「”木彫りの熊”好き」の方には読んでほしい~価格の違いがわかる!「木彫りの熊」の見方
・基本編1 鮭をくわえた四つん這いの熊(シナノキ)
・基本編3 塗装などの仕上げについて
・基本編4 彫り方いろいろ
・基本編5 エンジュ材・埋もれ木(神代木)の熊
・基本編6 イチイ材・センノキ・クルミの熊
・基本編7 覚えておきたい熊の形10種類 前半(1~5)
・基本編8 覚えておきたい熊の形10種類 後半(6~10) 形が複雑に
・基本編9 表情熊について
・基本編10 形のユニークな熊
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