3.「”木彫りの熊”好き」の方には読んでほしい~価格の違いがわかる!「木彫りの熊」の見方 基本編3 塗装などの仕上げ方について(シナノキ)

かわいいお座り熊ちゃん木彫り

・「木彫りの熊の色って、っぽいのもあるし、もあるし、もあるし、もあるし、虎のような模様のもあるし、これって木が(材料が)違うからなの~?

・「金色のもあったよ~!」(実はこれは木ではなく、プラスティックです(汗)、貯金箱になっています)

・「灰色のもあるね~、しぶいね~。なに、これって石?」

と、さまざまな声が飛び交います。うれしいですね~!

みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。

今回は、木彫りの熊の仕上げについてみていきたいと思います。

この記事を読まれると(パート1パート2も含めて)、木彫りの熊の38%がわかります。少しずつ進んでいきましょう!

ほんと「木彫りの熊」は奥深いんだなぁ~
(道のりは長いけれど、楽しくいきましょう!)

また、これから述べられる内容は、「この木彫りの熊が良くて、こちらは悪い」とか「こちらは価値がある、あれはない」とかでは決してなく、あくまで私の個人的見解ですので。

どうか、ぜひとも木彫り愛』の心をもって、楽しんで読んでいただけるとうれしいです。

それではよろしくお願いします。

木彫りの熊の仕上げについて(主にシナノキにおいて)

大きくわけて、仕上げは3パターン! 
色塗り

焼き

素材そのまま(材料の肌に透明なものを塗る。着色はしない。)

1つ押えておきたいことは、次のこれです。

色を塗ったり、焼いたりする材料は、70%くらいはシナノキです。(シナノキについては、「樹木をみよう~(16)シナノキ(アカジナ)

木彫りの熊を問わず、北海道の木彫りでは、着色している仕上げになっていたら、
60~70%その材料は、シナノキと思っていただいていいですよー

では早速写真をみてみましょう!

写真で見る木彫りの熊の仕上げ(シナノキの場合)

木彫りの熊色塗り1

こちらの熊は、真っ黒な塗料を使用してます。(色塗り仕上げ・黒
実は、塗料に関しては作る人によって違います。人それぞれいろいろな色を調合します。個性がでますね。

木彫りの熊焼き仕上げ

こちらの熊は、木目を意識しながら、
バーナーなどで焼いていきます
虎のように見えますが、です。
ほんと木目が美しいですよ。

木彫りの熊白

こちらは透明ニスを塗った熊です。
シナノキの本来の色が楽しめます。
(透明ニスを塗ると若干、シナノキ本来の色より深みがでます。)

木彫りの熊何も塗っていない

このかわいい熊ちゃんは、いっさい塗料を塗っていません。
シナノキのやさしさ、やわらかさが伝わってきます。
なにも塗っていないと、時間がたつにつれて、自然と色がゆっくりゆっくり濃くなっていきます。

木彫りの熊赤仕上げ

こちらの熊は、赤と茶色の仕上げです。
着色です。
木目を消さないように注意が払われています。なるべく薄く塗ります。
美しいですね。

木彫りの熊オイルステイン

こちらの熊も木目を生かしています。
オイルステインなどの塗料を薄くして使用しています。
吠えてますが、優しそうですね。

以上、仕上げについて見てきました(すべてシナノキで彫られた熊です)。

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、なんかツルツルした熊が多いなぁ~、と。

木目を生かす」、「木目を消さないように注意を払って」などの言葉もありましたように、仕上げには、次のようなものがあります。


・本来の動物である熊に近い色を使用する~黒やこげ茶

・本来、木がもっている美しい木目を生かす焼きめをつける。薄めの色を塗る

・木そのものを大切にする(素材重視)~いっさい着色しない。透明な塗料を用いる


ツルツル仕上げの熊は、「木目を意識した」仕上げとなっているのです。

作る人の目的・意図・好みで、木彫りの熊は仕上げられています

だから、”この作者の作品は、どれも(どんな木を使用しても、どの動物を彫られても)着色していない”、そんな個性がでるのだと思います。

まとめ

前回からのおさらい
木彫りの熊は、半分以上(50~60%)シナノキが使用される

シナノキで彫られた鮭喰い熊(鮭をくわえている四つん這いの熊)は、鮭 の彫りかたがポイント

熊を正面からだけではなく、背面の肩からおしりにかけてのラインの肉付きなどもチェックしてみる
 
・熊の仕上げはだいだい3パターン色塗り焼き素材をそのまま

・熊の仕上げには作り手の個性がでる(こだわりが垣間見れる時がある) 

まだまだ語りつくせぬことがたくさんありますが、今回は、これでおしまいです。

ぜひとも、みなさん、『木彫り愛』の心で、木彫り作品をご覧になってくださいね。

これからもよろしくお願いします。

最後まで、お付き合いしていただきまして、本当にありとうございました!
ごきげんよう!

次回は、彫り方の種類を解説します。

木彫りの熊(13)~シナノキ(白木)

「”木彫りの熊”好き」の方には読んでほしい~価格の違いがわかる!「木彫りの熊」の見方

基本編1 鮭をくわえた四つん這いの熊(シナノキ)
基本編2 後ろ側の彫り方(肩やおしり)
基本編4 彫り方いろいろ
基本編5 エンジュ材・埋もれ木(神代木)の熊
基本編6 イチイ材・センノキ・クルミの熊
基本編7 覚えておきたい熊の形10種類 前半(1~5)
基本編8 覚えておきたい熊の形10種類 後半(6~10)形が複雑に
基本編9 表情熊について
基本編10 形のユニークな熊

木霊の楽園!北海道!樹木をみよう~(16)シナノキ(アカジナ)

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