50. アイヌの英雄物語 アイヌラックル(3) 活躍と結婚

アイヌ文化
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みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。

9月も末ですね。阿寒湖では、ゆっくりと紅葉(黄葉)が始まっています。
今年の秋は、例年と比べて暖かい日が多い気がします。
紅葉(黄葉)、楽しみですね。ぜひ、阿寒湖へ!

先日、久しぶりに釧路に行きました。その途中で、車から気になった果実をつけた樹木を見つけました。
「なんだろう?」
それは、自分が思ってもみないものでした。では、その写真をどうぞ!

道端でかわいい果実を見つけました。(2021年9月末)
マユミ(2021年9月末)

調べてみると、その樹木は、マユミでした。
へぇ~、こんな身近にあったんだぁ~。感動!(それから車を走らせていくと、あるある、マユミってこんなにあったのね)

マユミの詳細は、また後日書きたいと思っていますが、木彫りでは、マユミは、木彫りのアクセサリーによく使用していますので、おなじみです。

マユミって、この時期に、こんなかわいい果実を付けるんだぁ~、発見できて、最高!

話しは変わって、やはり先日、学生時代の友人が奥さんと一緒に訪ねて来てくれました。
20年ぶりくらいかな~。1度、卒業してから偶然、阿寒湖で会って以来。

友人は、ひとまわり大きくなっていましたけど、気さくで話しやすい人柄は、そのままで、終始ニコニコしてました。

自分はうれしかったですね~。年をとったせいか、涙が・・・。マスクでかくれたので・・・。
ありがとうね~!また元気でお会いしましょう!

アイヌの英雄物語 アイヌラックル

では、今回は、アイヌラックル(3)活躍と結婚です。続きを簡単にみていきたいと思います。

前回までは、少年期のアイヌラックルでした。

アイヌラックルは、人間の子供たちと一緒に、登山や冒険や遊び、弓矢やマキリ、イナウ作りなどをして、過ごしました。

アイヌラックルの育ての親(養育係)のイレシュ・サポ(太陽神の末娘)が言うには、16歳になったら大人の仲間入りになるのですけど、その時、その16歳を迎える者の腕や肝(きも)を試すことがおこなわれるそうです。

さらに養育者イレシュ・サポは、アイヌラックルに言います。

人間社会の守り神となり、よい指導者になりなさい!』と。


自分は、アイヌラックルをイメージする時には、阿寒湖温泉の観光大使の漫画家・板垣恵介さんが、デザインしてくれたアイヌラックルを思い出します。板垣さんは、『グラップラー刃牙』シリーズの原作者です。

アイヌラックルのTシャツ(デザイン・板垣恵介)阿寒湖温泉限定!

強そうですね。
今回の話しは、山本多助『アイヌラックル伝』を参考にしています。他の作者のアイヌラックルの物語もたくさんあります。
アイヌラックルは、名前が変わって、オキクルミと表現されている場合もあります。
アイヌラックルの物語は、英雄の話しもあれば、そうではない話しもあり、混乱してしまうのですが、一応、板垣さんデザインのアイヌラックルを想像していただければ、今回の物語では、英雄で、違和感なくいけると思います。

アイヌラックルが今回与えられた試練

アイヌラックルの婚約者は、身分の高い白鳥の姫(レタッ・チリ姫)です。

この物語では、この白鳥の姫(レタッ・チリ姫)が暗黒の魔王と魔女にさらわれてしまいます。

理由は、夫婦になる儀式を正式な場所でおこなわなかったからでした。正式な場所は、養育城でしたが、アイヌラックルと白鳥の姫は、出会ったばかりの外でおこなってしまい、災難が降りかかることになってしまいました。

美しく優雅な天女の舞を、白鳥姫は舞いました。

そして、(アイヌラックルの)妻になることを約束するという意味で、ワタンプス(ヘアバンド)をアイヌラックルに渡しました。
それを受け取ったアイヌラックルが、白鳥姫にそのヘアバンドを結んであげた時、結婚が成立するのですが、アイヌラックルが結んであげようとした瞬間、魔女にそのワタンプスを奪われ、その挙句、白鳥姫もさらわれ、それを防ごうとしたアイヌラックル自身も負傷してしまいます。目が見えなくなってしまいます。

ここで、アイヌの物語によく出てくる結婚の成立にまつわる話し。

今回のアイヌラックルの話しでは、ワタンプス(ヘアバンド)でのやりとりでしたが、よく出てくるのが、ご飯を交換して食べあってはじめて、結婚が成立する話しです。
できあがったご飯を男性が半分食べ、女性が残りを食べれば、結婚の成立です。このような流れの物語が多いですね。

実際のアイヌの人々の生活での結婚の成立のやり方は、どのようなものだったのでしょうか?

それぞれが丹精こめて彫り上げたマキリ(小刀を、お互いに、相手に贈るなどの話しは、聞いたことがありますけど、詳しいことはわかりません。あと、刺繍(しりゅう)にまつわるものもあったような?
また調べてみたいと思います。宿題が増えていきますね。

ホントわからないことだらけですね!

話しをもどして、負傷したアイヌラックルは、いったん養育城に戻り、その出来事を見通していた育ての母・イレシュ・サポの言われたように穢れを払いました。

それからイレシュ・サポの薬を飲み、実際の母のチキサニ姫(ハルニレ姫)が残した炭火のぬくもりを感じながら休息しました。
(アイヌラックルの)気持ちは、すぐにでも白鳥姫を救い出しに駆けつけたい気持ちでしたが、ぐっとこらえて、イレシュ・サポのゴーサイン!が出るまで休みました。

これから後の展開は、復活したアイヌラックルが、魔王や魔女をやっつけて、白鳥姫を助け出す話しになっていきます。

ここで、アイヌラックルの実際の母・チキサニ姫のハルニレ林の秋の写真です!

秋のハルニレ林、阿寒湖畔(2021年9月末)

以上で、簡単ですが、アイヌラックルについて、山本多助著『アイヌラックル伝』を参考にして、書いてきました。

日本昔話し」同様にアイヌの物語もたくさんあります。想像力を豊かにして読むとおもしろいですね。
「こんなのありえねぇ~!」と思える描写は数多くありますが、そこを楽しむといいですよー。

このアイヌラックル伝を読んでいたら、ギリシャ神話のペルセウスを少し思い出しました。
設定はもちろん違うのですけどね。ペルセウスは、父が神で、母が人間ですからね(アイヌラックルは、父が雷の神、母がハルニレの女神(チキサニ姫)。

でも、アイヌラックルもペルセウスも人間として、人間のために生きる選択をしたような?そんな気がしますね。

あと思ったのが、数字についてです。

これもまた宿題になりそうですが、アイヌの物語の中で、数字がでてくる時は、「6」が多いのです。

少し調べてみたら、こういう意味のことがわかりました。

・「6」は、アイヌ文化では、聖数。

・「6」は、具体的な「6」という数字を表わすのではなく、「たくさん」、「数多い」という意味。

しかし、何で「6」なのか?それがまだわかりません。


まだまだわからなことが、山ほどありますが、少しずつでも進んでいけたら、と思っております。

それでは、今回はこれでおしまいです。

最後までお付き合いしていただきまして、本当にありがとうございました!

お体に気をつけてお元気で!

アイヌの英雄物語 アイヌラックル(1) 父と母
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アイヌ文化とハルニレ


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