63. 木彫りのフクロウの見方 2 フクロウの数・ツメや目など

アイヌ文化
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みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。

先日まで、゛暖冬”で、過ごしやすいと喜んでいたのも束の間、本日(12月18日)から本格的な ゛冬″になっています。
最高気温が-8℃、最低気温が-10℃です。

当分、プラス気温にはならないのだろうか~(泣)根雪になってしまうのか~!

では、今朝の阿寒湖です。

阿寒湖と湖畔遊歩道のまりも微笑み小径(こみち)(トーラサンペ ル ミナ)2021.12.18朝


それでは、今回は、前回に引き続き、「木彫りのフクロウの見方」を、写真を掲載しながら、見ていきたいと思います。

前回の復習としては、「台座」の彫り方が、1つのポイントになってますよ~、ということでした。
「台座」は、見やすくわかりやすいので、最初にとりあげましたが、メインはあくまでもフクロウ本体です。

木彫りのフクロウの優先順位

1.見る人の好み・感性

2.材質

3.彫り・形・大きさ

「台座」に関しては、上のチェックボックスの3の「彫り・形・大きさ」になります。

今回の説明も3の「彫り・形・大きさ」になりますかね。

それでは、みなさん、『木彫り愛』の心で、リラックスしながら気楽にお読みくださいね~!

よろしくお願いします。

旭峰作シマフクロウ 1羽と2羽、3羽のフクロウ

読んで字のごとく、1羽のフクロウより2羽のフクロウの方が、彫る手間がかかります。3羽になりますと、もっとかかります。

旭峰作シマフクロウ(シナノキ)
旭峰作シマフクロウ2羽 横(シナノキ)
旭峰作シマフクロウ2羽 上下(シナノキ)
旭峰作シマフクロウ3羽色(シナノキ)

作品は、すべて旭峰さんです。

材料もシナノキです。

当たり前のことですが、1羽2羽3羽になるにつれて手間がかかります。

2羽では、横タイプ縦の上下タイプがあります。
一概には言えませんが、上下タイプの方が、バランスが難しいようです。
作品の数も上下タイプの方が少なくなります。

横タイプは、台座の彫りが全体的に良くなっている気がします。

その他の作家さんのシマフクロウ、エゾフクロウの2羽タイプ

それでは、その他の作家さんの2羽を見てみましょう!

台座の彫りも注目して見てみましょう!

峰雲作シマフクロウ2羽(シナノキ)1
峰雲作シマフクロウ2羽(シナノキ)2

こちらの作品は、峰雲のシマフクロウです。有名な作家さんです(厳密には作家さん集団)。民芸店には、この作家さんの作品は、必ず置いてありますね。もちろん、旭峰さん、憲治さんの作品も必ずありますよ~!

この作家さんの作品は、独特ですよね。

また、台座に注目してみてください。

木の枝だけではなく、葉っぱも彫ってありますね。

とても独特で、表現力のある作風です。もう少しこちらの作品を見てみましょう!

峰雲作シマフクロウ2羽(シナノキ)3 横から
峰雲作シマフクロウ2羽(シナノキ)4 後ろから

大きなフクロウが、羽を広げて、小さな方を包み込んでいますね。

また、ツメの彫り方も独特です。ツメの彫り方も作家さんによって違いますから、チェックしていただくといいと思います。

木彫りの熊の「毛彫り」の所で、説明しましたが、こちらの作品は、フクロウを細かく毛彫りしています。三角刃ではなく、細めの丸刃で、短く毛彫りしています。手数は多いですね。

表現力のあるダイナミックな作品と同時に手数の多い繊細な作品でもありますね。

では、次の作品を見てみましょう。

信太作エゾフクロウ親子3羽 色(シナノキ)

トミヤ民芸さんに所属していた信太さんの作品です。この作家さんもいろいろな動物や人物を彫ってきた、個性のある作家さんです。

エゾフクロウのかわいらしさを上手く、3羽の親子で表現していますね。この作品のタイトルは、「家族」です。

それでは、次の作品にいきます。

本城作 エゾフクロウ 1(シナノキ)
本城作 エゾフクロウ 2(シナノキ)

こちらの作品も頭の丸いかわいいエゾフクロウです。

作家の本城さんは、もう引退されています。とてもこだわりのある丁寧な彫り方をされる作家さんでした。木彫りの熊の木目を生かす「焼き仕上げ」は、見事な作品でした。

今回のエゾフクロウは、「」がポイントです。作家さんのこだわりが「目」です。「目」の彫りで苦労された話しを何度か話しておられました。

「目」の玉が、正面からみても、左右横から、上下から見ても ゛丸く”みえるように、こだわったのだそうです。そして、目の縁取りをホントきれいに囲むように、強く意識したそうです。

こちらの置物は、1羽でも、2羽、3羽でも置けるタイプです。「台座」になる止まり木のようなものはありません。

作家さんによって、いろいろなこだわり、個性がありますよね。

そこが、「木彫りのフクロウ」のおもしろい所ですね。彫りだけではない、何かしらのユニークなアピール力と言いましょうか・・・。

見る人とその「木彫りのフクロウ」の波長が、合うか合わないか。

楽しいですね!


以上、写真を中心に作品を見てきました。

今回は、1羽より2羽3羽の方が、手間が少しかかるよ~、という話しでした(当たり前ですみません)。

それと同時に、作家さんによって、フクロウの形、表情や彫り方が全然違うことをわかっていただけたのではないでしょうか!?

第1弾、第2弾で紹介しました作品の材質は、すべてシナノキでした。

次回からは、いろいろな材質の作品もとりあげていきたいと思います。お楽しみに~!

では、みなさん、『木彫り愛』の心で、これからもよろしくお願いします。

最後まで、お付き合いしていただきまして、本当にありがとうございました!

お元気で!

木彫りのフクロウの見方 1 台座の彫り方
木彫りのフクロウの見方 3 エンジュ材のフクロウ
木彫りのフクロウの見方 4 埋もれ木(神代木)のフクロウ
木彫りのフクロウの見方 5 イチイ材・センノキ・クルミのフクロウ
木彫りのフクロウの見方 6 羽を広げたフクロウ 技術力
木彫りのフクロウの見方 7 羽を広げたフクロウ 動と静
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