62. 木彫りのフクロウの見方 1 台座の彫り方

シマフクロウ、養老牛(2016.12.28)アイヌ文化

みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。

12月も半分過ぎました。早いですね~。あと2週間で新年ですか~。忙しい日々をお過ごしと思いますが、くれぐれも体には気をつけてくださいね!

今年は、北海道のどの地域も根雪になるのが遅く、札幌では、最遅記録を更新中ですね。

阿寒湖温泉も今は雪の無い状態が続いています。今のところ、暖冬ですね。寒さが苦手な自分にはうれしいことです。でも本州からの観光のお客様は、物足りなさを感じているようですね。

北海道は、寒かった~!

これが言いたいので~す。確かに、自分らが例えば沖縄に行って、北海道ように寒かったら話しの種が1つ、減ってしまいますから。やっぱ沖縄は、冬でも暖かいなぁ~と感じたい、北国の人々にとっては!?(地元の方にとっては、もちろん寒いのですけど)


さて今回は、木彫りのフクロウの見方について、写真を見ながら簡単に、説明していきたいと思っています。

このシリーズの記事を読みますと、木彫りのフクロウを選ぶ際、いくらか選びやすくなるのではないでしょうか。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

フクロウの見方については、基本的には、それを見る人の好み、が何と言っても優先されます。

木彫りの熊は、「彫り」や「表現力」などで細かく見れば、とても奥が深いです(「゛木彫りの熊”好き」の方には読んでほしい~価格の違いがわかる!「木彫りの熊」の見方 基本編1~10)。木彫りの熊の場合は、何も知識のない状態で見るとどうなるか?
一見すると、どの木彫りの熊も同じように見えます。だから、大きさで判断しがちです。

フクロウに関しても、彫りや表現力は、とても大事な要素になりますが、彫り手(作家さん)によって、例えば、フクロウの顔が全然違いますので、すごく細かく素晴らしい彫りでも、顔などが(選ぶ人(見る人)の)好みに合わなければ、選ばれません。

絵画に似た感じですかね。見る人の感性・好みが重要視されます。もちろん、木彫りの熊もそのような所はあるのですが、フクロウの木彫りの方が、そういう意味では、「見方」は、わかりやすいかもしれません。

ただやっぱりフクロウの場合も、手の込んだこだわりのすばらしい作品は、たくさんありますので、彫りに注目される人は、じっくりご覧になられるといいと思います。

木彫りのフクロウの場合は、次の順番の「見方」が優先されます。

1、 見る人の好み・感性(絵画的要素が大きい)

2、 材質

3、 彫り・形・大きさ

それでは、これから何回かにわたって、「木彫りのフクロウ」を見ていきます。

「木彫りの熊の見方」の所でも書きましたが、この作品が良くてこちらが悪い、これが価値があるない、ということではなく、あくまで、主観的に述べるもので、(木彫りのフクロウを)選ばれる方が、1つの参考意見として、この記事を読んでいただければ、ありがたいです。

また、今回ここでとりあげるフクロウの木彫りは、アイヌ文化では、最高神と言われるシマフクロウと、(熊を獲る時に役立ち)大切にされたエゾフクロウです(シマフクロウ・エゾフクロウについては、また機会がありましたら書いてみようと思います)。

みなさん、『木彫り愛』の心で、リラックスしながら、気楽に読んでくださいね!

目次

シナノキの木彫りのフクロウ

では、まずシナノキの作品から見てみます。同じ作家さんの作品でくらべてみます。

作家さんは、「旭峰」さんです。木彫りのコンクールなどで北海道知事賞などを受賞しているこの道50年のベテラン作家さんです。

作家さんが同じですので、基本的にフクロウ本体の彫り方は同じです。

台座」に注目してみてくださいね!

旭峰作シマフクロウ(シナノキ)

旭峰作 シマフクロウ1
旭峰作シマフクロウ1

シマフクロウと丸太の台座。

シマフクロウと台座を別々に作っている。

(台にシマフクロウを乗せている)

シマフクロウと丸太台は、分かれています。

旭峰作シマフクロウ2
旭峰作シマフクロウ2

シマフクロウが枝に留まっている(シマフクロウの下部)。

そして、それを台の上に乗せている。

シマフクロウと枝は、一本の木から彫っています

シマフクロウと枝は、一本彫りです。そして丸太台の上にのせています。

旭峰作シマフクロウ3
旭峰作シマフクロウ3
旭峰作シマフクロウ3

下の台座からフクロウ本体まですべて1本で彫られています

シマフクロウ・枝・台座の一本彫り。

3つ作品のシマフクロウの木彫りを見ましたが、今回は、台座に注目してみてください。

写真1 シマフクロウ本体と台座(丸太)が分かれています。

写真2 シマフクロウと止まり木が1本彫りで、台座(丸太)にのせています。

写真3 シマフクロウ本体、止まり木、台座がすべてつながっています(すべて1本のシナノキで作られています)。

技術的に、フクロウ・枝・台座と一本から作るほうが、難しく、彫る手間もかかります。3つの作品の中では、シマフクロウ3が、一番、手間ひまかけています。もちろん、それにつれて、価格も上がってきます。基本的に、シマフクロウ本体は、作家さん(旭峰さん)同じなので、だいたい顔は同じです(手作りなので、100%同じではないですけどね)。


では、次の写真をご覧ください。

干場作シマフクロウ(シナノキ)

干場作 シマフクロウ1(シナノキ)
干場作 シマフクロウ1(シナノキ)

先ほどの旭峰さんの作品とはまた雰囲気がかわりましたね。あくまで、フクロウの顔は、好みでいいと思います(自分が部屋などに飾りたいと思うもの)。

この作品もシナノキです。では、台座の彫り方を見てみましょう。

枝とまりの作品ですね。この枝は、作家さんの特徴が表れています。正面の穴が開いているところの形、何の形に見えますか?

答えは、ハートの形ですね。作家さんがこれを意識したかどうか判然としませんが、とても個性がありますね。この作品もシマフクロウ本体と枝の1本彫りです。

では、次に作品の台座を見てみましょう!

憲治作シマフクロウ(シナノキ)

憲治作 シマフクロウのマス掴み(シナノキ焼き仕上げ)1
憲治作 シマフクロウのマス掴み(シナノキ焼き仕上げ)

この作品は、憲治作のシマフクロウです。魚のマスを捕らえています。

作家の憲治さんは、熊、シマフクロウ、エゾフクロウ、各種の魚など何でも彫れる有名な作家さんで、木彫り屋さんに行けば、必ずその作品を見ることができます。それらの作品は、とても素晴らしいものがありますよ!

今では、「憲ちゃん熊」という、八雲熊を意識した味のある抽象熊なども手がけており、巨匠の一人です(憲治さんは、旭峰さんの弟さんです)。

この作品の材質は、シナノキですね。「木彫りの熊の見方」の所でも述べましたが、焼き仕上げは、木の素材を生かす仕上げの1つで、木目を消さないように、バーナーなどで焼いていきます。

それでは、台座を見てみましょう。

魚のマスが彫ってあります。普通の枝止まりよりも手間ひまをかけていますね。魚を単独で彫るのも技術が入ります。

・木彫りのシマフクロウの見方は、たくさんありますが、同じ材質・同じ作家さんの場合は、台座の彫り方を見てみましょう!(今回の場合は、シナノキ)

・作家さんによって、シマフクロウの顔だけではなく、台座の彫り方にも特徴がありますよ。

・フクロウ本体、枝、台座がすべて1本彫りの作品は、手間ひまをかけていて、技術も高いです。また、などを(台座に)彫っている作品は、彫るのが難しいのと同時に(魚が)その作家さんの得意分野の1つになっていることが多いです。


以上、今回は、写真を中心に「台座」の彫り方について見てきました。

見るポイントは、まだまだたくさんありますが、まずは、一番わかりやすい(見やすい)ポイントを挙げてみました。台座がすべてではありませんので、ここは間違えないでくださいね。

最初にも述べましたが、シマフクロウの木彫りの見方は、「好み」が優先されると思います。

次回も木彫りのシマフクロウの見方の1つを、作品の写真を載せながら、なるべくわかりやすく、紹介していきたいと思っております。

では、みなさん、『木彫り愛』の心で、これからもよろしくお願いします!

最後までお付き合いしていただきまして、本当にありがとうございました!

お元気で!

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