66. 木彫りのフクロウの見方 5 イチイ材・センノキ・クルミのフクロウ

梅原作シマフクロウシナノキ色アイヌ文化
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みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。

今回は、前回に引き続き、シナノキ以外で彫られた「木彫りのフクロウ」の作品を見ていきたいと思います。

着色されたり、焼いてある作品は、だいたいシナノキですね(もちろん、例外はあります)。

シリーズ3回目エンジュ4回目埋もれ木(神代木)でした。

そして、今回は、イチイセンノキ(ハリギリ)クルミの3種類の材料のフクロウです。

イチイの材料は、成長が遅く、あまり太い木がありませんので、作品は、やっぱり少ないです。太い木があっても、゛神木”になっていたり、イチイは、他の材料とくらべて゛”が多く、堅さもありますので、最近では、そんなには積極的には使用されていませんね。

センノキは、「家具の王様」と言われているのですが、熊やフクロウの木彫りでは、シナノキほど使用されていません。どちらかと言うと、木目が整っている傾向があるので、壁掛け(木彫りのレリーフ)に多いかもしれません。

クルミは、自分の感覚では、立体木彫りでは、めっきり少なくなりました。自分が知らないだけなのかもしれませんね。材料の価格が値上がりしたのかもしれませんね(はっきりわかりませんが)。

それでは、復習で「木彫りのフクロウ」を選ぶ時の優先順位を確認しておきましょう!


1.見る人の好み・感性

2.材質

3.彫り・形・大きさ

そして、選びやすくするために、その流れは次のようにしますと、選びやすくなりますよ~!

(1)好みは尊重してください。

(2)欲しいサイズ(大きさ)をだいたい決める

(3)(木彫りのフクロウに)着色してあるか、ないか

(4)着色なしの場合は、どの材質にしようかなと。シナノキ(白木)、エンジュ、埋もれ木、イチイ、センノキ、クルミなど

(5)普通の形(フクロウが止まり木などに留まっているときの静止状態の形など)か、それとも翼・羽を広げている形

(6)価格(ご予算)

この流れで見ていくと、絞りやすくなりますよ~!


では、早速いきましょう!

みなさん、『木彫り愛』の心で、リラックスしながら、気楽に、お読みくださいね!

よろしくお願いします。

目次

イチイ材のフクロウ

写真を中心に見ていきます。

1.旭峰作 シマフクロウ2羽 (イチイ)
2.旭峰作 シマフクロウ枝のり2羽1本木 (イチイ)

1つめ、2つめ、両方、旭峰作です。

材料のイチイは、着色はしていません。透明のツヤだしは、しています(透明ツヤだしすると、オレンジ色?が濃くなります)。

1つめは、本体と枝が、1本彫りです。

2つめは、すべて1本彫りです。

すべて1本彫りのほうが、手間がかかりとバランスなどの技術が入ります。

3.旭峰作 シマフクロウ5羽 (イチイ)
3(2).旭峰作 シマフクロウ5羽(イチイ)

3つめの2枚も、旭峰作です。イチイ材。

シマフクロウ5羽の珍しい作品です。フクロウの数が多くなるほど手間がかかります。

イチイ材の色は、ホント別格ですね。初めてご覧になる方は、みなさん、びっくりします。


4.中原篤作 エゾフクロウ(イチイ)
5.中原篤作 フクロウ横長(イチイ)

4,5つめは、中原篤さん(鳩杖)の作品です。中原さんも80歳半ば以上の作家さん(1935年生まれ、栗山町)です。

個性のある作品を作っています。フクロウだけではなく、鮭のレリーフでも有名千瓢彫り)です。

この作品は、両方ともイチイ材ですが、中原さんは、ヤチダモなどの堅くて重い材料でも彫っていました。

続けて、中原さんの作品をもう1つ見てみましょう!

6.中原篤作 エゾフクロウ2羽(イチイ)
6(2). 中原篤作 エゾフクロウ2羽(イチイ)

この6つめの2枚も中原さんの作品です。イチイ材。

真ん中の棒は、差し込みになっています(これもイチイ材)。

フクロウは、下の台座から1本彫りです。

なかなか味のある作品ですね!

7.憲治作 シマフクロウ親子(イチイ)

7つめは、憲治さんの作品です。

イチイ材のシマフクロウ親子です。

憲治さんのシマフクロウは、どちらかというと、顔がキリリっとしまっていますね。

きれいなイチイの材料です。

親・子ともに台座にくっつけています(1本彫りではありません)。

センノキ(ハリギリ)のフクロウ

センノキ(ハリギリ)の作品は、基本的に、素材を生かした着色なしの白木の作品が多いのですけれど、2割くらいは着色になっています。

木彫りのレリーフは、センノキの白木が多いですね(特に、昔のアイヌの酋長やメノコを題材としたレリーフ)。

今回は、8つめに、藤原吉美作シマフクロウ枝のりを、9つめ賀上作(隼敬)の作品を掲載します。

8.藤原吉美作 シマフクロウ枝止まり(センノキ)
9.賀上作 シマフクロウとミズバショウ(センノキ)

8つめの作品は、藤原さんの定番のデザインです。かわいい系のフクロウですね。1本彫り。

センノキは、木目が控えめで、おとなしい感じですね。木目よりデザイン重視になるかもしれませんね。

9つめは、賀上作(隼敬)シマフクロウとミズバショウです。ミズバショウのデザインの作品は、とても珍しいです。

フクロウは、賀上さんの独特さがあり、すぐにわかりますね。三角刃で、しっかり毛彫りしています。手間は、かかっていますね。丁寧な仕事です。すべて1本彫りです。賀上さんは、今でも、洞爺湖で作家活動をされているようです(木彫り好きな人から情報が入ります)。

クルミ材のフクロウ

クルミ材の作品は、とても手触りがよく、磨いてあげるとツヤも出ます。最近は、クルミ材の新作は、それほど見なくなりました。自分の好きな材料だけに残念ですね。

最後に、クルミ材の作品を1つ紹介します。

10.上西捷敏(かつとし)作 シマフクロウ2羽(クルミ)

10つめは、上西さんのシマフクロウ2羽です。

有名な作家さんです。

上西さんのフクロウも顔を見れば、すぐに上西さんとわかります。穏やかな顔ですね。

フクロウだけではなく、上西さんの「木彫りの熊」も、とてもやさしい穏やかな表情をしています。

魚を捕らえています。すべて1本彫りです。

以上、イチイ、センノキ、クルミ、3種のフクロウの作品を見てきました。

フクロウは、木彫りの熊と違って、作家さんの個性が、はっきり出ますね(熊も出るには出ますが)。表現の自由が、(熊より)幅広いのかもしれませんね。

ぜひ、みなさん、お気に入りの作品を見つけて、お部屋に飾ってみてはいかがですか!

『幸福を招く神様』ですから、ふくろうは!(シマフクロウの伝説については、機会をあらためて)

では、『木彫り愛』の心で、またよろしくお願いします!

最後まで、お付き合いしていただきまして、本当にありがとうございました!

お元気で!

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