みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。
今回は、前回に引き続き、シナノキ以外で彫られた「木彫りのフクロウ」の作品を見ていきたいと思います。
着色されたり、焼いてある作品は、だいたいシナノキですね(もちろん、例外はあります)。
シリーズ3回目がエンジュ、4回目が埋もれ木(神代木)でした。
そして、今回は、イチイ、センノキ(ハリギリ)、クルミの3種類の材料のフクロウです。
イチイの材料は、成長が遅く、あまり太い木がありませんので、作品は、やっぱり少ないです。太い木があっても、゛神木”になっていたり、イチイは、他の材料とくらべて゛節”が多く、堅さもありますので、最近では、そんなには積極的には使用されていませんね。
センノキは、「家具の王様」と言われているのですが、熊やフクロウの木彫りでは、シナノキほど使用されていません。どちらかと言うと、木目が整っている傾向があるので、壁掛け(木彫りのレリーフ)に多いかもしれません。
クルミは、自分の感覚では、立体木彫りでは、めっきり少なくなりました。自分が知らないだけなのかもしれませんね。材料の価格が値上がりしたのかもしれませんね(はっきりわかりませんが)。
それでは、復習で「木彫りのフクロウ」を選ぶ時の優先順位を確認しておきましょう!
1.見る人の好み・感性
2.材質
3.彫り・形・大きさ
そして、選びやすくするために、その流れは次のようにしますと、選びやすくなりますよ~!
(1)好みは尊重してください。
(2)欲しいサイズ(大きさ)をだいたい決める
(3)(木彫りのフクロウに)着色してあるか、ないか
(4)着色なしの場合は、どの材質にしようかなと。シナノキ(白木)、エンジュ、埋もれ木、イチイ、センノキ、クルミなど
(5)普通の形(フクロウが止まり木などに留まっているときの静止状態の形など)か、それとも翼・羽を広げている形か
(6)価格(ご予算)
この流れで見ていくと、絞りやすくなりますよ~!
では、早速いきましょう!
みなさん、『木彫り愛』の心で、リラックスしながら、気楽に、お読みくださいね!
よろしくお願いします。
目次
イチイ材のフクロウ
写真を中心に見ていきます。
1つめ、2つめ、両方、旭峰作です。
材料のイチイは、着色はしていません。透明のツヤだしは、しています(透明ツヤだしすると、オレンジ色?が濃くなります)。
1つめは、本体と枝が、1本彫りです。
2つめは、すべて1本彫りです。
すべて1本彫りのほうが、手間がかかりとバランスなどの技術が入ります。
3つめの2枚も、旭峰作です。イチイ材。
シマフクロウ5羽の珍しい作品です。フクロウの数が多くなるほど手間がかかります。
イチイ材の色は、ホント別格ですね。初めてご覧になる方は、みなさん、びっくりします。
4,5つめは、中原篤さん(鳩杖)の作品です。中原さんも80歳半ば以上の作家さん(1935年生まれ、栗山町)です。
個性のある作品を作っています。フクロウだけではなく、鮭のレリーフでも有名(千瓢彫り)です。
この作品は、両方ともイチイ材ですが、中原さんは、ヤチダモなどの堅くて重い材料でも彫っていました。
続けて、中原さんの作品をもう1つ見てみましょう!
この6つめの2枚も中原さんの作品です。イチイ材。
真ん中の棒は、差し込みになっています(これもイチイ材)。
フクロウは、下の台座から1本彫りです。
なかなか味のある作品ですね!
7つめは、憲治さんの作品です。
イチイ材のシマフクロウ親子です。
憲治さんのシマフクロウは、どちらかというと、顔がキリリっとしまっていますね。
きれいなイチイの材料です。
親・子ともに台座にくっつけています(1本彫りではありません)。
センノキ(ハリギリ)のフクロウ
センノキ(ハリギリ)の作品は、基本的に、素材を生かした着色なしの白木の作品が多いのですけれど、2割くらいは着色になっています。
木彫りのレリーフは、センノキの白木が多いですね(特に、昔のアイヌの酋長やメノコを題材としたレリーフ)。
今回は、8つめに、藤原吉美作シマフクロウ枝のりを、9つめに賀上作(隼敬)の作品を掲載します。
8つめの作品は、藤原さんの定番のデザインです。かわいい系のフクロウですね。1本彫り。
センノキは、木目が控えめで、おとなしい感じですね。木目よりデザイン重視になるかもしれませんね。
9つめは、賀上作(隼敬)のシマフクロウとミズバショウです。ミズバショウのデザインの作品は、とても珍しいです。
フクロウは、賀上さんの独特さがあり、すぐにわかりますね。三角刃で、しっかり毛彫りしています。手間は、かかっていますね。丁寧な仕事です。すべて1本彫りです。賀上さんは、今でも、洞爺湖で作家活動をされているようです(木彫り好きな人から情報が入ります)。
クルミ材のフクロウ
クルミ材の作品は、とても手触りがよく、磨いてあげるとツヤも出ます。最近は、クルミ材の新作は、それほど見なくなりました。自分の好きな材料だけに残念ですね。
最後に、クルミ材の作品を1つ紹介します。
10つめは、上西さんのシマフクロウ2羽です。
有名な作家さんです。
上西さんのフクロウも顔を見れば、すぐに上西さんとわかります。穏やかな顔ですね。
フクロウだけではなく、上西さんの「木彫りの熊」も、とてもやさしい穏やかな表情をしています。
魚を捕らえています。すべて1本彫りです。
以上、イチイ、センノキ、クルミ、3種のフクロウの作品を見てきました。
フクロウは、木彫りの熊と違って、作家さんの個性が、はっきり出ますね(熊も出るには出ますが)。表現の自由が、(熊より)幅広いのかもしれませんね。
ぜひ、みなさん、お気に入りの作品を見つけて、お部屋に飾ってみてはいかがですか!
『幸福を招く神様』ですから、ふくろうは!(シマフクロウの伝説については、機会をあらためて)
では、『木彫り愛』の心で、またよろしくお願いします!
最後まで、お付き合いしていただきまして、本当にありがとうございました!
お元気で!
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