14. 木霊の楽園!北海道!樹木をみよう~(2)イチイ、津別町21世紀の森

イチイの木 津別2アイヌ文化

木霊・・・こだま。樹木に宿る精霊。木の精。またそれが宿った樹木を木霊と呼ぶ。精霊は山中を敏捷に自在に敏捷に駆け回るとされる。木霊は、外見はごく普通の樹木であるが、切り倒そうとすると祟られるか神通力に似た不思議な力を有するとされる(ウィキペディア)。

~(アイヌの人々は)かつて人間がとりまくすべてのものに、人間と同じような精神の働きを見、それをカムイと呼んで、人間とカムイの共存こそがこの世を豊かに暮らす道であると考えていた~(中川裕 千葉大学文学部教授「ゴールデンカムイ」アイヌ語監修者)


みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。

あと1カ月半くらいしたら木々は芽吹き、若葉の季節がやってきますね~。
その前に、ですよね。
今年は、暖かいですので、例年より早いかもしれませんね。いずれにせよ、楽しみです。

道端の雪もほとんど解け、ふきのとうがちらほら見られるようになりました。その季節になると、ちゃんと芽吹くのですね。すごい!

ここで、去年の春(4.28)の写真ですが、ミズバショウの写真をどうぞ!阿寒湖のエコミュージアムセンターの裏のミズバショウです。

阿寒湖エコミュージアムセンター裏のミズバショウ(2021.4月)

今回は、「木霊の楽園!北海道!樹木をみよう」シリーズの第2回めです。

みなさんに、少しでも外に出ていただいて、自然の樹木をみて、空を見上げて、散歩して、ストレスを軽減していただければ、という目的で、このシリーズは書かれています。


また、散歩道で出会う木々たちに、心の中で、挨拶なんかできれば、もっともっと、樹木が身近になるかもしれませんね。木霊を意識して木々を見るのも、これまた楽しみが増えると思います。

前回は、ハルニレでした。覚えていますでしょうか?アイヌの伝説で、火の神様が降臨するときのお話しを。

「国ができるとき、火の神は、右手にチキサニハルニレ)姫を、左手にはラルマニ姫の手をとって、降りてきた」


そうです、今回は、ラルマニ姫の「イチイの木についてです。


北海道の方々は、「オンコ」の木と言ったほうが馴染みがあるでしょうか。
オンコは、東北から北海道にかけての方言らしいですね。アイヌ語では、「ラルマニ」、「クネニ」と言うそうです。


10日くらい前に、10年ぶりくらいに、津別町にある施設に行きました。当時は、動物の剥製や樹木の標本がたくさんありましたが、様変わりしてました。

津別21世紀の森


樹木園・野鳥観察場、キャンプ場や運動場(その他)などもある、かなり広大な施設です。本格的に始まるのは、5月1日らしいです。

その「津別21世紀の森」の入り口を入ったすぐ横に、「イチイの森」があります(国道沿いです)。すぐそばを車で通っていたのですが、これまで全然気づきませんでした(もったいなかった~)。

圧巻でした!こんな太いイチイが、近場で見られるなんてー!では、写真をどうぞ。

イチイの木 津別町
津別町21世紀の森


すごいですね~!直径一番太いところで、1mを超えていますよね。この場所は、イチイの木々に囲まれるように、庭があります。そこに佇んで青空を見上げる。


最高でした!

イチイの木とその他の常緑針葉樹(例えば、蝦夷松・唐松など)を見分けるポイントは、まずは、樹皮の感じですね。イチイは、なんというか、樹皮が赤み(オレンジ)がかっています。

津別町21世紀の森


イチイの木は、存在感が、半端ないです。何度も、見に行きたいですね。


イチイの木は、成長が遅く、太さが70,80cm以上になりますと、”神木”扱いされる傾向があります。このイチイの木々に囲まれた庭にいると、わかります!、神木扱いされる理由が。イチイの木は、なんと言うか、尊厳さ、神聖さが、すごい!


この津別の「イチイの森」以外でも、名木として、各市町村が保護したりもしています。

・黄金山(こがねやま)のイチイ(石狩市浜益区)
・常代(とこよ)の松(今金町)
・祖(おおみや)の松(せたな町北檜山区)
・黄金水松(おうごんみずまつ)(芦別市)
・砂川神社の水松(砂川市)
・竜神のオンコ(北竜町)
・言問の松(こととい)(豊富町)
・誉の水松(ほまれのおんこ)(白老町)
・逆水松(さかさおんこ)(厚岸)など

また、28市町村が、イチイの木を市町村の木に指定しています。人気ありますよね。

ちなみに、芦別市の黄金水松は、樹齢約1700年だそうです。古墳時代だよ~!(驚)


以上ですが、簡単にイチイの木(オンコ)をみてきました。

阿寒湖畔でも、もちろんイチイの木は見ることができます。20cmくらいの太さのものでも、すぐ気がつきます。
やっぱり存在感ですかね。なんというか、気品がある?というかなにか感じますね、イチイには。

下の写真は、阿寒湖ボッケ遊歩道入り口のイチイの木です。

阿寒湖ボッケ遊歩道入り口のイチイの木
阿寒湖ボッケ遊歩道入り口のイチイの木


次回は、「アイヌ文化とイチイの木」の予定です。
では、みなさん、『樹木愛』の心をもって、これからも樹木観察していきましょう!
樹木探し、楽しくなりますよ~!

それでは、最後までお付き合いしていただきまして、ありがとうございました!
お元気で!

(参考資料)

・アイヌと自然シリーズ第3集 アイヌと植物 樹木編(財団法人アイヌ民族博物館)

・アイヌ植物誌(福岡イト子著、佐藤寿子挿画、草風館)
・知りたい北海道の木100 (佐藤孝夫著、亜璃西社)

・森林で遊ぼうシリーズ1おもしろい木の話(北海道林業改良普及協会)
・コタン生物記 樹木・雑草編Ⅰ(更科源蔵、更級光、青土社)

・アイヌ語で読み解く「ゴールデンカムイ」(中川裕著 集英社新書)

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