44. 木霊の楽園!北海道!樹木をみよう~(12)イヌエンジュ(その3)お花

イヌエンジュ ボッケ遊歩道入り口アイヌ文化
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木霊・・・こだま。樹木に宿る精霊。木の精。精霊は山中を敏捷に自在に駆け回るとされる。木霊は外見はごく普通の樹木であるが、切り倒そうとすると祟られるか神通力に似た不思議な力を有するとされる(ウィキペディァ)。

~いずれにせよ、カムイとは動物や植物や火や水のことだと言ってしまうと、「自然」と訳してもよさそうな気もしますが、先ほど言ったように、家や舟、臼や杵、鍋や小刀といった人工物もまたカムイであり、人間のまわりにあって、人間が生きるために何らかの関わりを持っているすべてのものを指しますので、「自然」ではやはりぴったりきません。むしろ「環境」と言ってしまったほうがよさそうです(中川裕 千葉大学文学部教授「ゴールデンかムイ」アイヌ語監修者)。

みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。


8月、お盆を過ぎて、阿寒湖はめっきり涼しくなっています。
これから残暑はあるだろうとは思いますが、どうなることでしょう。


今回は、イヌエンジュのお花を見ていきたいと思います。
先月末に撮った写真を掲載していきまーす。


それでは、みなさん、お時間がございましたら、少しでも外に出て、自然の植物に触れ合って、大空を見上げて、散歩して、日々のストレスを軽減してくださいね。

樹木愛』の心で、よろしくお願いします。


イヌエンジュのお花


イヌエンジュは、アイヌ文化では、決して粗末にはしない樹木でした。


アイヌの人々の家(チセ)の柱には、必ずイヌエンジュの木を含めるようにしていました。


魔除けや長寿を意味し、大切な家の守り神にささげるイナウ(木幣)は、イヌエンジュも使用されていました。
詳しいことは、「木霊の楽園!北海道!樹木をみよう」シリーズで!(イヌエンジュ(1)阿寒湖編,(2)芽吹き(4)四季アイヌ文化とイヌエンジュを参照してみてくださいね)。


イヌエンジュは、夏の花です。7月からですね。阿寒湖畔では、7月後半が見頃になりますね。

白い花で、特徴があります。

夏の白い花で有名な樹木は、イヌエンジュ、ノリウツギ(サビタ)、ハシドイ、クサギ、アジサイ?、ホザキナナカマドなどですかな?。まだまだわからないことが盛りだくさん。
学びの途中でーす。

サビタ、ハシドイなどの写真は、また来年になってしまうのかな~。


それでは、まず阿寒湖畔のイヌエンジュのお花です。

イヌエンジュの花(7月末、阿寒湖畔)
阿寒湖畔、ボッケ自然探勝路入り口(ボッケ遊歩道入り口)。手前、左がイヌエンジュの樹木。


暑い夏には、白い花が気持ちいいですね、さわやかですね。

阿寒湖には、イヌエンジュの木は、そんなにはたくさんありません(あくまで私見)。

・第一遊覧船乗り場の湖岸園地

・ボッケ遊歩道の入り口

・遊歩道の奥、ぼこぼこと温泉の蒸気が煮立っている近辺

・(阿寒湖ではありませんが)ペンケトー・パンケトーを望める双湖台駐車場


まだあるかもしれませんが、観察しやすい場所という意味ではこの4つの場所があげられます。


ちなみに、イヌエンジュの花のつぼみには、高血圧に効くルチンがふくまれているそうです。

では、阿寒湖以外の場所(阿寒湖から双湖台に行く途中の国道沿い)のイヌエンジュのお花の写真です。

双湖台に向かう途中の国道沿いに咲くイヌエンジュの花(7月末)

樹高が高くてびっくりしました!

また、ペンケトー、パンケトーを眺められる双湖台の駐車場にイヌエンジュ並木があります。イヌエンジュがたくさんあります。はじめて見た時は、感動しました。

双湖台駐車場のイヌエンジュの花、7月末

羽状複葉(うじょうふくよう)の葉っぱと白い花。絵になりますね。


幹は、直径15cmもなかったかもしれません。

イヌエンジュの幹は、成長が遅く、身がしまっていて堅いですね。


その材料は、よく民芸品の材料になっています。

エンジュ 鮭背負い熊
エンジュ材 鮭背負い熊(シケカムイ)
上原作ピリカメノコ想いエンジュ
エンジュ材 上原作 ピリカメノコ 想い

木彫り作品のエンジュ材は、とても重厚感があります。木目も美しいです。

また、この木は、灰皿にしても燃えないくらい堅く、年輪がつまっています。

エンジュ材の灰皿
エンジュ材の灰皿 燃えません(最近は、小物入れに使用する方が増えています)

以上、イヌエンジュのお花を見てきました。


もう少し小さな花かなぁ~と想像していましたが、意外と大きくてびっくり。

北海道の木彫りの民芸品では、イヌエンジュは必ずその材を使用して作られた作品があります。お馴染みです

実際、自然のイヌエンジュに接してみると、細い幹のエンジュが多いですね。

だから、「あ~、この材は、大事にしなきゃ」って、つくづく思いました。

また機会がありましたら季節ごとに、イヌエンジュの樹木を観察していきたいですね。

それでは、みなさん、『樹木愛』、『木彫り愛』でまたよろしくお願いします。

最後までお付き合いしていただきまして、本当にありがとうございました。

お元気で!

(参考資料)
・アイヌ文化で読み解く「ゴールデンかムイ」(中川裕著 集英社新書)

木霊の楽園!北海道!樹木をみよう~(4)イヌエンジュ 阿寒湖編
木霊の楽園!北海道!樹木をみよう~(9)イヌエンジュ(その2)芽吹き
木霊の楽園!北海道!樹木をみよう~(18)イヌエンジュ(その4)四季
アイヌ文化とエンジュ(イヌエンジュ)
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