みなさん、こんにちは~、
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。
季節は春ですね。気持ちいいですね~。でもまだ暖かくなったり、寒くなったりでホント風邪などに気をつけてくださいね。
今日は、本題にいく前に、4月前半の阿寒湖の様子を写真で見てみましょう。
今年は、例年より少し雪解けが早く、阿寒湖畔遊歩道(トーラサンペ ル・ミナ まりもの微笑みの小径)は、ぬかるみはありますが、通れるようになってます。
雪の壁が迫力です。
まだ、湖は氷にとざされています。
4月中旬から始まる予定の砕氷船が走るまでの我慢ですかね。今の景色も趣きありますけどね!
それでは今回は、覚えておくべき木彫りの熊10種の後半の5種をみていきましょう。
写真中心でいきますので、これまでの復習のつもりでみてくださいね。
これを読むと(パート1~8)、「木彫りの熊」の見方が42%わかります。
“まだ40%そこそこかぁ~”、と愚痴りたくなる気持ちもわかりますが、これでも甘めに言っていますよ~。
やっぱり「木彫りの熊」は、深いなぁ~(しみじみ)。
では”木彫り好きのみなさん”、ぜひとも『木彫り愛』の心で、リラックスして楽しみながら、いきましょう!
本日もよろしくお願いします。
目次
(6)親子熊
素材をいかす「つるつる」白木の親子熊
うすい透明塗料
シナノキ
熊もネコのように、子供の首根っこをくわえて運ぶのですね。
この熊では、鮭ではなく子熊がくわえられていますが、技術的には子熊のほうが難しいとされています。
子熊の表情を出す表現力がポイントです。
木目をいかす「つるつる」の親子熊
うすい茶色の塗料
シナノキ
このタイプは、親熊、子熊、別々に彫られています。セットにすることで「やさしさ」が伝わってきます。
普通の1頭の四つん這いの熊とは違い、
“表現力”が命になります。
木目が美しい「つるつる」焼きの3頭親子熊
焼き仕上げ
シナノキ
子熊が2頭です。
それぞれ形が違います。
「愛情」がこの熊のタイトルですが、
これも、表現力の勝負になります。
親子熊は、どれもやさしい表情ですね。
表情は、作り手の腕の見せ所の一つです。
(7)鮭背負い熊(さけせおいくま)
鮭背負い熊は、 ”熊が鮭を背負ってる~(笑)!”、”ありえねぇ~(笑)” 、
“おもろいなぁ~(笑)”などとよく冷やかされます。
実際、熊が鮭をぶどうのつるで縛って背負うことは、ないですよね。
ありえねぇ~。
しかし、アイヌの伝説では、背負ってくるのです。
熊は、冬眠に入る前にドングリや鮭などをたくさん食べて、十分に脂肪を蓄えます。大きく太った熊は、たくさんの恩恵をアイヌの人々にもたらします。
その太った熊は、アイヌの人々の所に、“宝物”(この場合は食料=太った熊と思われる)を届けに背負ってやってくる、という縁起の良い形らしいのです(鮭もそうだけど熊も食料になりますからね)。
その恩恵をもたらす太った熊のことを「シケカムイ」といいます。
木彫りなどでは、鮭を背負った熊として表現されることが多いですね。
熊と鮭で二重の喜びですね。
では、早速見てみましょう。今回は、立ち熊タイプを2枚。
「毛彫り」の鮭背負い立ち熊
色塗り仕上げ
シナノキ
鮭をかついでいます。愉快になりますね。
“二重の喜びの縁起もの”です。
彫りをみますと、台座からすべて1本の木から
彫り上げています。
技術は高いです。
「毛彫り」の鮭背負い立ち熊
色塗り仕上げ
シナノキ
こちらの熊もすべて1本の木から作られています。
肩の盛り上がりもなかなかですね。
すごいですね。
(8)座り熊(すわりくま)
早速、写真を見てみましょう!
座り熊
色塗り仕上げ
「カット彫り」
シナノキ
文字通り、座っている熊が、座り熊です。
“表現”がとても難しい形です。
次回に述べる予定ですが、こういった
「表現のむずかしい」熊を『表情熊』とよんだりしています。熊のしぐさ、動作、やわらかさなどを表現する彫り方です。
鮭喰い座り熊
色塗り仕上げ
「カット彫り」
シナノキ
行儀良く鮭を食べていますね。おいしそう~。
鮭の曲がり具合がいいですね。
エラ・ヒレもしっかり浮き彫りになっています。
座り熊
色塗り仕上げ
「毛彫り」
シナノキ
この熊は、何を考えているのでしょうね?
やさしそうな目をしています。
人それぞれ受け取り方が違うと思います。
“それでいいんです!”
表情熊は、彫りよりも好みが優先されると思います。
(9)立ち熊
立ち熊
素材そのまま
「カット彫り」
シナノキ
下からすべて1本彫り
技術力が高い。
手間ひまがかかる。
バランス感覚など、やはり表現力が命
鮭持ち立ち熊
うすい色塗り仕上げ
「つるつる」と「カット彫り」
シナノキ
これも下からすべて1本彫り。
臨場感がすごい。鮭をガッチリ握りしめ、
“獲ったどぉ~!”の雄たけび。
いろいろと推測できますね。
“それがいいんです”。
鮭のひねり具合がまたいいですね。
立ち熊親子
色塗り仕上げ
「毛彫り」
シナノキ
こちらもすべて1本の木から作られています。
構図がすごくいいですね。
表現力も高いです。
(10)木登り熊・岩登り熊
これから紹介する熊は、文字通り木に登っていたり(登ろうとしていたり)、岩に登るしぐさをしている熊です。
これは、先ほども少し触れましたが、『表情熊』とよばれまして、熊の仕草・動作・やわらかさ・かわいさ・獰猛さなどを表現した「木彫りの熊」になります。
よくイメージされる鮭をくわえた四つん這いの熊とは、いささか異なります。
表現力重視の技術の高い熊になります。
これらの「表情熊」は、表現力は高いのですが、最後は、これらの熊の良し悪しを決めるのは、見る人の直感の好みになります。
絵画的要素が強く、見る人によって評価が違うときがありますが、『表情熊』の場合は、何度も言いますが、ほとんどが、彫り・表現力がすばらしく、評価されています。また、個性のある作品も多いです。
では、見ていきましょう!
木登り親子熊
素材をそのまま生かしています
細かい「毛彫り」
センノキ(木霊の楽園!北海道!樹木をみよう~(5)ハリギリ(センノキ))
すべて1本の木から作られている。
木目もしっかり出ています。
木に絡みついているブドウのつるや葉っぱや実も表現されています。
岩登り熊
素材をそのまま生かしています
「カット彫り」
埋もれ木(神代)
美しい木目です。
すべて1本彫りです。
顔の表情から何を読み取れますか?
肩の盛り上がりがいいですね。
以上、前回を含めて、10種の「木彫りの熊」をみてきました。
お疲れ様でした。
この基本的な形を覚えて頂きましたら、今度はぜひ、北海道の民芸品店にご来店されて、
「木彫りの熊」を実際、手にとってご覧になってくださいね。
例外はまだ、たくさんありますが、(販売されている熊ならば)だいだいわかっていただけると思います。
それでは、次回は、『表情熊』について、もう少し追加の写真や説明と、その他の熊について述べていきたいと思っております。
みなさん、『木彫り愛』の心でこれからもよろしくお願いします。
最後まで、お付き合いしていただいて、本当にありがとうございました。
お元気で!
「”木彫りの熊”好き」の方には読んでほしい~価格の違いがわかる!「木彫りの熊」の見方
基本編1 鮭をくわえた四つん這いの熊(シナノキ)
基本編2 後ろ側の彫り方(肩やおしり)
基本編3 塗装などの仕上げ方について
基本編4 彫り方いろいろ
基本編5 エンジュ材・埋もれ木(神代木)の熊
基本編6 イチイ材・センノキ・クルミの熊
基本編7 覚えておきたい熊の形10種類 前半(1~5)
基本編9 表情熊について
基本編10 形のユニークな熊
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