みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。
前回までのおさらいです。
木彫りのフクロウを選ぶときの優先順位として、3つ、次のものをあげました。
1.見る人の好み・感性
2.材質
3.彫り・形・大きさ
これを少しわかりやすく言いますと、実際の現場では、次のようになります。
(1)1の見る人の好み・感性は、そのままで良いと思います。
(2)まず、自分の欲しいサイズをおおまかに決定します。サイズをおおまかにでも決めないと、木彫りのフクロウは、大小たくさんありすぎて、何が何だか訳がわからなくなってしまいます。
(3)(木彫りのフクロウに)着色があるのが欲しいのか、それとも、着色なしがいいのか(着色ありとは、焼き仕上げも含めてです)。
(4)材質(ここで初めて木の素材の話しになりますね)
・着色ありの場合は、大体が、シナノキになります(例外はありますが)。
・着色なしの場合は、シナノキ(白木)、エンジュ、埋もれ木(神代木)、イチイ、センノキ、クルミなどになります。
(5)形(おおまかに2つの形があります)
・普通の形(フクロウが止まり木などに留まっている時の静止状態の形)
・翼・羽を広げている形(これもいろいろな広げ方があるのですが、あくまでも、おおまかに)
(6)価格帯(予算)
この流れに乗りますと、好きなフクロウをゲットできる確立があがりますよ~!(例外はありますけど)
それをふまえた上で、「木彫りのフクロウの見方」1,2の見方を参考にしてみてくださいね!(1では、台座について。2では、1羽と2羽などについて)
それでは今回は、材質(素材)について、作品の写真を多めに掲載しながら、見ていきたいと思います(前回までの「木彫りのフクロウの見方」1,2でとりあげた作品は、すべてシナノキでした)。
みなさん、『木彫り愛』の心で、リラックスしながら、気楽にお読みくださいね!
よろしくお願いします。
目次
エンジュ(イヌエンジュ)の木彫りのフクロウ
イヌエンジュと言うのが正確ですが、ここでは省略してエンジュと書いていきます。
エンジュに関しては、木彫り屋さんに行くと、必ず ゛良い材料ですよ~!”って説明されます。手触り、色・光沢、重み(重厚感)、堅さ、縁起の良さなど、本当に素晴らしい材料です。詳しくは、こちらで(アイヌ文化とエンジュ、木霊の楽園!北海道!樹木をみよう~(4)イヌエンジュ 阿寒湖編)。
エンジュの1羽
上原作のシマフクロウは、下から1本彫りで、魚を捕らえています。枝に留まって、意気揚々ですね。
川上作のシマフクロウも台座から1本彫りタイプです。作者によってホント表情が違いますよね(川上哲作の作品紹介)。
1つめの枝のりシマフクロウは、頭が長くてとてもユーモラスですね。下の台座からすべて1本彫りですね。
喜多幸作のシマフクロウは、笑っていますね。エンジュの黄色の部分を上手く対照的になるように生かしていますね。台とフクロウ本体が分かれるタイプです。
作者不詳の作品は、シマフクロウの首を傾げています。台とフクロウ本体が分かれるタイプです。
それぞれ作品、目の彫り方・ツメの彫り方など違いますよね。
エンジュ2羽
幸人作親子は、台と別々です。子供の表情がなかなかいいですね~!あくまで、ご覧になる人の好みですね!
次の高瀬作のシマフクロウは、1本のエンジュで彫られています。横並びで、何だか「愛」を感じますね。
幸人(平野)さんも高瀬さんも木彫り業界では、超有名な作家さんです。木彫り屋さんに行けば、その作品に出会えることでしょう!
こちらも有名な旭峰さんの作品です。太めのエンジュ材を使用しています。
エンジュは、直径が25cmくらいでも「太い材料だね~!」っていわれるくらい成長が遅い木で、貴重です。
シマフクロウ正面の木目が美しいですね。下からすべて1本彫りです!
シマフクロウ3羽
そんなに数が多くないエンジュ3羽の作品です。目がくるりんとしてますね。すべて1本のエンジュから彫り上げています。
以上、1羽タイプ、2羽、3羽とエンジュ材のフクロウを見てきました。作家さんよって、ホント個性が際立ちますね。
作家のネームバリューにとらわれずに、自分の好みのフクロウを選んでいただければ、と思います。
最後に、2つ作品を紹介します。
こちらの作品は、彫りがどうのこうの、というより、見る人の感性でご覧になってください。抽象芸術って感じです。
田山作のエンジュ材のシマフクロウです。
この仕上げについては、自分もはっきりした仕上げ方がわかりません。1度、違う作家さんに、やり方を尋ねたことがありますが、すみません(汗)、はっきり思い出すことができません。トノコをどうたらこうたら・・・(汗汗)
どなたか、この仕上げ方をご存知の人がいらっしゃいましたら、お教えくださいませ!
なかなか渋い作品ですよね。そして、清楚というか・・・。あくまで好みでいいと思います。
では、次の作品です。
ちとし作フクロウです。この作家さんは、もともと阿寒湖におられた作家さんだそうです。
阿寒町の、昔の、木彫りコンクールの資料をみると、作品は常に上位で、賞なども獲っていました。
今は、全国各地で、個展などをされていると聞きます(私自身は、面識はありません)。
たまに、民芸店にいらしたお客様から、ちとしさんの情報を得ます。ファンの方がいらっしゃるのですね。
フクロウ以外にも、素晴らしいメノコ(アイヌの女性)を彫ったりもしているらしいですね。
と、いうことで今回はおしまいにしたいと思います。
それでは、みなさん、『木彫り愛』の心で、また、よろしくお願いします!
最後まで、お付き合いしていただきまして、本当にありがとうございました!
お元気で!
木彫りのフクロウの見方 1 台座の彫り方
木彫りのフクロウの見方 2 フクロウの数・ツメや目など
木彫りのフクロウの見方 4 埋もれ木(神代木)のフクロウ
木彫りのフクロウの見方 5 イチイ材・センノキ・クルミのフクロウ
木彫りのフクロウの見方 6 羽を広げたフクロウ 技術力
木彫りのフクロウの見方 7 羽を広げたフクロウ 動と静
木彫りのフクロウの見方 8 ユニークな形のフクロウ
木彫りのフクロウ⑨ フクロウ観音
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