みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。
10月に入りました。緊急事態宣言が解除になり、これから少しでも、人々が明るく暮らせるようになればいいなぁ~、と思っています。
阿寒湖では、コロナ禍で、観光のお客様が激減していましたが、どんどん増えていくことを願うばかりですね。
先日、少し遠くを眺めたくて、牧場・草原の風景を見てきました。牛や馬はいませんでしたけど。
目の疲れやいろいろ精神状態に良さそうですね。
気持ちいいですね!
それでは、今回は、「木彫りの熊」の材料で、一番使用されているシナノキについて、簡単にみていきたいと思います。
もっと早くとりあげたかったのですが、阿寒湖畔で、シナノキまたはオオバボダイジュがなかなか見つけられず、延び延びになっていました。
ちなみに、シナノキ=アカジナ
オオバボダイジュ=アオジナ
というように一般的には言われています。両方ともシナノキ科です。
主にアカジナのシナノキについて、写真を載せながら見ていきましょう!
みなさんに少しでも外に出ていただいて、自然の樹木や花にふれ合い、散歩しながら大空を見上げ、日頃のストレスを軽減していただければ、とてもうれしいです。
それでは、『樹木愛』の心で、リラックスしていきましょう!
よろしくお願いします。
目次
シナノキの基本情報
・高さ15~20m、太さ60~80cm
・落葉広葉樹
・葉っぱは、スペード形、長さ4~10cm、幅4~8cm
ふちに鋭いギザギザ。基部(葉っぱの下の付け根)は、ゆがんだ心形
葉っぱの表、裏は、無毛
・花の蜜は、ハチミツになります。
・名木 ピンネシリの千本シナ(中頓別町)。推定樹齢120~220年。直径29~63cm。幹周92~197cm。樹高19m。
優駿のシナ(平取町)。推定樹齢200年以上。直径129cm。幹周405cm。樹高9m。
・市町村の木 シナノキは、ありません。オオバボダイジュは、佐呂間町の木。
それでは、シナノキとオオバボダイジュの葉っぱの写真です。
写真でみるとわかりづらいのですが、実際、葉っぱの大きさがだいぶ違いました。オオバボダイジュ(アオジナ)の方が、大きいです。あと、見分け方は、葉っぱの裏の毛がたくさん生えているほうが、オオバボダイジュですね。シナノキは、無毛。
葉っぱの形が、スペード形というのは、シナノキの特徴の1つですね。でも、似ている葉っぱは、たくさんあるんだよなぁ~、これが。難しいですね。観察、観察、観察!
シナノキの名前の由来
シナノキの名前の由来は、2つくらいあるようです。
1、樹皮がしなしなしているから。白いから。
2、アイヌ語で、結ぶ、縛るの意味をもつ「シナ」から。
1、の樹皮がしなしなしているからは、そのまんまですね。おもしろいですね。
2、のアイヌ語からの「シナ」は、実際、アイヌの人々は、シナノキから縄などを作っていました。生活の中から生まれた名前になりますね。
アイヌの人々とシナノキ
アイヌ語では、シナノキは、ニペシニ(木・もぎとった裂片・木)、(内皮・それからとった繊維)。
または、シナノキは、シニペシ(本当のニペシ)。
オオバボダイジュは、ヤイニペシ(ただのニペシ)。
アイヌ文化では、シナノキの方が、大切だったみたいですね。
アイヌの人々の生活の中では、シナノキの場合は、樹皮がとても重要で、大切でした。
内皮からとった繊維は丈夫で、荷縄にしたり、袋物を編んだりしていました(サラニプ)。オオバボダイジュより質が良かったらしいです。
そのシナノキの繊維は、細い縄にして、魚をとる網にしたり、家の屋根を葺くササなどを編みこんで縛ったりと、たくさんの用途がありました。
樹皮を剥ぐ(はぐ)のは、シナノキの水分が一番多い5,6月の時期が適していたようです。その木の太さは、5cmくらいの若木が最適だったそうです。
その樹皮の剥ぎ方ですが、シナノキの場合は、上から下に剥ぎます。有名なオヒョウの木の場合は、下から上に剥ぎます。
アイヌの人々の暮らしの中では、オヒョウの木同様、シナノキでも糸を作り、着物を編んだのでした。
また、シナノキは、日常使用するロープなどの実用品の原材料でした。
アイヌの狩人は、狩りに行くときの脚絆(きゃはん。脛(すね)の部分に巻く布)に使用したりしていました。
このようにシナノキは、アイヌの人々にとってなくてはならないものといえるでしょう。
内皮の大切さばかり強調しましたが、木材の方も役に立っていました。
内浦湾の長万部(おしゃまんべ)では、カジキマグロ漁の時の舟は、シナノキで作ったそうです。
カジキマグロの鋭い吻(ふん。角というか骨というか)で、舟をつつかれた時に、シナノキの舟は割れないそうです。シナノキは、堅い木ではないので、そのやわらかさでカジキマグロの吻(角、骨)を吸収してしまうのですね。
舟の材料と聞くと、カツラやセンノキ、ヤチダモなどを想像しますが、カジキマグロ漁の時は、シナノキなんですね!
それでは、シナノキの幹の写真をどうぞ!
以上、簡単ですが、シナノキをみてきました。
雑学ですが、世界4大並木をご存知でしょうか?
自分はまったく知りませんでした。その4大並木の1つにシナノキが入っているそうです。
シナノキは、英語で、ジャパニーズ・リンデンと言うらしいですが、リンデンと聞くと、よく外国の小説などで街路樹としてでてきますね。なるほど!
{世界の4大並木}
・シナノキ
・トチノキ(セイヨウトチノキ)
・ニレ(ニレ類)
・モミジバスズカケノキ(プラタナス)
シナノキ並木の下を歩いてみたいですね!
それでは、今回は、これでおしまいにします。
次回は、シナノキを使用した(着色していない)「木彫りの熊」をとりあげてみたいと思っています。
最後まで、お付き合いしていただきまして、本当にありがとうございました!
お元気で!
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