91.木彫りの熊(19)~2023年もよろしくお願いします!当時の佐藤木彫さんの熊を少しずつ紹介していきます①。 

木霊の再生~竹沢美千子著アイヌ文化
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 土くれた木塊をじっと見ていると木塊が語りかけてくるのです。語りかけてくるとおりに斧が動くのです。

 晩年まで続いた彼のテーマは、

 「木彫りの行きつくところは塊になる」

 これであった。

 木塊に宿る魂。これが木霊である。

 切られた木が語る苦しみや悲しみの「こころ」を、心眼で聴く。聴くためには私 心を捨て無我になる。それぞれの木の個性を生かし蘇らせる・・・・・・。それが木霊の再生であり、自然の心の技である。

2023年1月23日(月)、竹沢美千子著「木霊の再生」(もくれいのさいせい)を読み終えた(3度目)。ちょうどその日の北海道新聞の夕刊に、八雲町木彫り熊資料館柴崎重行作木彫り熊の記事が載っていた。

木彫りに携わって30年。自分はこの本にめぐり合えたことを感謝している。とても学ぶことが多かったし、今ある木彫り作品に、より一層愛着が湧いてきた。どんな作品でも歴史がある。

以前から気になっていた本であったが絶版になっていた。中古本はかなり値が高かった。去年10月、プレコグ・スタヂオさんから再販。素直にうれしかった。ありがたかった。すぐに取り寄せ精読。情報量も多く、また、う~ん、と感動で唸ること数知れず。何だか心が洗われた。清々しかった。

みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。
2023年本年もよろしくお願いします~!

「木霊の再生」(竹沢美千子著)は何回でも読み返して、自分の気持ちを整えていきたいと思う本ですね。今回は本のタイトルになっている箇所をとりあげてみました。荘厳さを感じます。これからも気に入った箇所を抜粋していけたらいいなぁと考えています。

「木塊」は、もっかい、と読むのでしょうか。意味は字の通り、木のかたまりですよね。「塊」は、かたまり。「木霊」は、もくれい、って読ませているところがすごい!ずしーんと心に響きますね、柴崎熊の場合は特に。

木彫りの熊の好きな人は「木霊の再生」(竹沢美千子著)ぜひとも読んでみてくださいね。損はさせません!

それでは今年も、本ブログでは北海道の樹木木彫り作家さんの作品の紹介を中心に書いていきたいと思っています(なるべく1週間から10日に1記事を目安に)。

また、“ 日々楽しく、これまた修行 ”。この言葉を忘れずにいつでもどこでも”絶好調”の舞でも踊りたいものですね(笑、なんだそれ)。

さて今回は、当時の佐藤木彫(さとうもくちょう)さんの作品を2つ紹介してみます(佐藤木彫さんについてはいずれ取り上げてみたいと考えています)。

それではみなさん、『木彫り愛』、『樹木愛』の心でよろしくお願いします。

① 座り吠え熊(シナノキ、着色、泰宗作)

a. 座り吠え熊 正面(シナノキ、色、佐藤木彫泰宗作)
b. 座り吠え熊 斜め前から

c. 座り吠え熊 横から
d. 座り吠え熊 横から

e. 座り吠え熊 斜め上から
f. 座り吠え熊 正面

作家さんの表現力が”物を言う”「表情熊」です。この熊ちゃんから、なにを感じとるかは見る人によって違うと思います。

佐藤木彫さん(当初は「インテリア木彫佐藤」)は、当時5人以上彫り師がいました。現在では、創業者の旭峰さん、その弟さんの憲治さんが現役を続けています。約50年以上になります。憲治さんは今、全国区で活躍しています(お兄さんの旭峰さんが師匠です)。憲治さんも独立して44年になるそうです。旭峰さん、憲治さん、保さん、泰宗さん、喜三治さんなどすごいメンバーでした(自分は面識のない作家さんもいらっしゃいましたが)。詳しい事は機会がありましたらまた書いてみたいと思います。  

② 招き熊(エンジュ、保作)

a. 座り招き熊 正面 (エンジュ、保作)
b. 座り招き熊 左斜め前から

c. 座り招き熊 右斜め前からアップ
d. 座り招き熊 横から

e. 座り招き熊 少し離れて観察

招きネコならず招き熊。保作、エンジュ材。幸せもたらしてくださいますかね~!?(笑)

登別にある熊牧場の、”エサくださ~い~”のおねだり熊は、有名ですよね。あの格好は愛嬌があって滑稽ですね。立ってエサを招いている立ち姿の招き熊。その光景を見ると、熊と意思疎通する機会が自分たちにはめったにありませんから、エサをねだられたら何だか熊と交流した感覚になりますね(実際は微妙ですが・・・)。

このエンジュの招き熊は、やはり表情をやら仕草を重視する表情熊です。思わず手に取りたくなるような作品、思わず目を背けたくなるような作品、どうであれ人に強烈にインパクトを与える作品、これこそ表情熊の醍醐味です。すべて「かわいい~」というだけではありません。言わばアートの世界になるのかもしれません(といっても木彫りにおけるアートの定義となるとこれまた難しいですね。どこが境界なのかなど・・・)。

冒頭で紹介しました「木霊の再生」の中での、柴崎熊はその表情熊の究極の形なのかもしれませんね。

以上、当時の佐藤木彫さんの作品2つを取り上げてみました。これからも少しずつ佐藤木彫さんの作品を紹介できたらと思っています。

さてここで年明けの阿寒湖の状態はどうでしょうか?

全面氷結した湖で、やってますよ~!ワカサギ釣りやスケートにスノーモービルなどいろいろと。湖の氷の上が駐車場です。ぜひ阿寒湖上で遊んでくださいね!そして商店街でお土産を~!よろしくお願いしま~す!

2023年1月下旬 阿寒湖

きれいに整備されたスケートリンク 阿寒湖

爽快!スノーモービル 気持ちいい~最高! 阿寒湖

ではみなさん、これからも『木彫り愛』、『樹木愛』の心でよろしくお願いします。

最後までお付き合いしていただきまして本当にありがとうございました!

(参考資料)

・「木霊の再生」(竹沢美千子著 プレコグスタヂオ)

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