85. 木霊の楽園!北海道!樹木をみよう~(24)イチイの木②かわいい実がつくとホントいつまでも見ていられるなぁ~!

トーラサンペ ル・ミナ2022.9アイヌ文化
DSC_1930

みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。

早いもので9月も中旬になろうとしています。阿寒湖では、阿寒岳神社のお祭り(阿寒岳神社例大祭)が11日から13日まで開催されました。好天に恵まれ、少し縮小された行事もあったみたいでしたが、無事に進んだようでした。

阿寒岳神社例大祭、山車の準備(阿寒岳神社、2022.9)
阿寒岳神社例大祭準備、商店街(2022.9)


お祭りの準備をしている時に、うれしいことにいくつか小さな発見がありました。(お祭りの準備の場所は)自分のいつもの散歩コースとは違う場所でした。そんな大げさな事ではありませんが、その発見は少しワクワクして楽しかったです。今回は阿寒湖のイチイの木について、写真を掲載しながら見ていきたいと思っています。

それでは『樹木愛』の心で、みなさまリラックスしていきましょう!よろしくお願いします。

阿寒湖温泉のイチイの木

阿寒湖のイチイの木は、細かく言えば、おそらくたくさんあるのでは。自分の知らない場所にもたくさん。
今回は、自分が気がついた、実をつける雌のイチイの木に絞って見ていきたい思います。
イチイは、雌雄異株(しゆういしゅ)といってオスとメスがあります(オスとメスという言い方が適切がどうかわかりませんが)。雄花と雌花を別々の木につけるものをいうらしいです。
昔、木彫りの職人さんがイチイ材の作品を持ってきた時こう言っていました。


「このイチイは、オスだからゆっくり色が変わっていくんだ。この明るい色からゆっくりアメ色にね。それがいいんだ。それにひきかえメスのイチイはすぐ色が変わって、ましてあんまり濃すぎてきれいではないんだ」と(どちらが良いとは一概には言えないと思いますが。一応、個人の主観として)。

その時はじめて木にオスとメスがあるんだぁ~と。少しびっくりしました。今回は、実をつけるイチイの木ですので、メスのイチイです。秋になって実をつけてくれるとその木がイチイの木であることがすぐわかりますね(実をつけなくてもイチイは(イチイらしさの雰囲気をもっていますので)わかりやすいのですが)。

ちなみに雌雄異株(しゆういしゅ)の樹木は、イチイの他にイチョウ、カツラ、ヤチダモ、ネグンドカエデ、ドロノキ、ポプラ類、ヤナギ類、キハダなどがあるそうです。

それでは一つ目のイチイの木。

イチイの木の赤い実1(阿寒湖温泉、コロポックル公園近く)
イチイの木2(阿寒湖温泉、コロポックル公園近く)

近くには小さな川が流れていて、大きな枝垂れヤナギがありました。このイチイの隣にはハマナスもあり、盛りだくさんありますなぁと。観察ポイントの1つに加えてみようと思いました。阿寒湖は自然に囲まれた場所なんだとつくづく感じました。

2つ目は、阿寒岳神社のイチイです。上の鳥居の横にありました。赤い実が上の方にあったのでなかなか上手く写せませんでした。なんとなく厳かな感覚でした(神社にあったからかな?)。というわけで今回は写真はありません。

3つ目は、樹木の宝庫、ボッケ遊歩道です(ボッケ自然探勝路)。入り口正面左は、イヌエンジュが出迎えてくれます。右は、今回写っていませんがサビタ(ノリウツギ)など。少し進むとイチイの木が佇んでいます。気品があります。

ボッケ自然探勝路の入り口(阿寒湖温泉、2022.9)イヌエンジュが出迎えてくれますよ。

では赤い実をたくさんつけたイチイの木の写真です。

イチイの赤い実1(ボッケ自然探勝路、阿寒湖2022.9)

イチイの赤い実2(ボッケ自然探勝路、阿寒湖2022.9)

イチイの赤い実3(ボッケ自然探勝路、阿寒湖2022.9)
イチイの赤い実4(ボッケ自然探勝路、阿寒湖2022.9)

しつこい~!って言われるか言われないかわかりませんが、ここぞと「イチイの赤い実」の写真を載せてしまいました。自分が好きなんですね~、イチイの木が(笑)、すみません。

イチイの赤い実は食べることができるそうです(自分はまだ食べたことがありません)。種は有毒ですから注意!
イチイの木の写真を撮った後、たまたまお店にいらしゃったお客さんが「イチイの赤い実、子供の頃、よく食べたんだよなぁ~。甘くておいしいの!」って楽しそうに話してくれました。機会がありましたら食べて見たい!ってさすがに勝手にとっちゃいけないですよね、どうなんですかね(笑)。

以上が今回、阿寒湖温泉で赤い実のつくイチイの木でした。阿寒湖のイチイの木は全体的にまだ細いですね。以前紹介した「津別21世紀の森」のイチイはびっくりするほど太かったですよね。ではもう1度その写真をどうぞ!

津別21世紀の森イチイの木1
津別21世紀の森のイチイの木

と~ても太いですよね。樹齢何年くらいなのでしょうか?

余談になりますが、北海道にあるイチイの木の幹周で一番長いといわれているものは、どこにあるでしょうか?
2018 北海道の巨樹・名木150選(今田秀樹著)によると、

1番は、幹周673cm(直径214cm) 士別市 祖神の松 樹齢1000年(推定)


2番は、幹周620cm(直径197cm) 芦別市 黄金水松 樹齢1700年(推定)

3番は、幹周563cm(直径179cm) 石狩市 黄金山のイチイ 樹齢1500年(推定)

想像できないくらいの大きさですね。推定樹齢もすごい!この本は大きな写真まで掲載されていて、とてもわかりやすく素晴らしいです。この本を読むたび巨樹・名木めぐりしたいなぁ~なんて思います。

阿寒湖のイチイの木も大切にすれば少しずつ太く大きくなっていくのでしょうね!
アイヌの人々たちとイチイのことも以前のブログにまとめていますが、また少しずつ補足していきたいと思っています。

では最後にイチイ材の木彫り作品を2つ紹介しておしまいにします。

アイヌコタンの男1(イチイ材、作者不詳)
アイヌコタンの男2(イチイ材、作者不詳)


とてもシブい作品です。「どこからでもかかってこいや~!」って感じですかね。人によって感じ方が変わる作品ですね。これはオスのイチイ材かなぁ?(立体的な)木彫り全体ではイチイ材の割合は少ないです。貴重ですね。

では、もう1つの作品です。

アイヌ狩人、槍持ちエカシ1(イチイ材、作者不詳)
アイヌ狩人、槍持ちエカシ2(イチイ材、作者不詳)

かっこいいですね!動きが感じられます。「狙いを定めてエイヤァ~!」。これもオスのイチイ材かな。メスのイチイ材はもっともっと濃かった気がします。イチイ材にはなにか引きつけられますね。これはホント主観でいいと思います。

それではみなさん、『樹木愛』、『木彫り愛』の心でこれからもよろしくお願いします。最後までお付き合いしていただきまして本当にありがとうございました!

お元気で!

(参考資料) 

・知りたい北海道の木100(佐藤孝夫著 亜璃西社)
・2018 北海道の巨樹・名木150選(今田秀樹著 公益社団法人 北海道森と緑の会)

(参考ブログ)
14.木霊の楽園!北海道!樹木をみよう~(2)イチイ、津別町21世紀の森
15.アイヌ文化とイチイの木

コメント

タイトルとURLをコピーしました