みなさん、こんにちは~。
ごきげんいかがですか~。
木彫り屋店長 まさまるです。
12月後半になって、連日、最低気温-15℃以下の日が続いています。阿寒湖らしくなってきました。水道の凍結に気をつけなければ!
阿寒湖は、岸側から徐々に凍り始めてきました。ボッケ遊歩道から見える湖は、薄氷が張ってきましたね(ホテルの近くはまだです)。
では、阿寒湖とイタヤカエデです。
積雪は、22cmです。これからまだまだ降りますね。
今年度は、「阿寒湖氷上フェスティバル」の感じが変わるようです。また、はっきりしましたら、ご報告します。
ワカサギ釣りなどは、例年通りに、おこなわれるようです。こちらも後ほど、ご報告します。
新しく湖畔沿いのイルミネーション「天園」のライトアップが、始まりました(夜10時まで)。
新型コロナウィルスの広まりで、阿寒湖温泉の行事は、これまで中止や延期(時間調整)に追い込まれてきました。少しずつ回復してきましたが、まだまだですね。それと同時に、コロナに合わせて、行事もリニューアルされています。関係者の人たちの工夫と努力は、すごいと思います。頭が下がります。ありがとうございます。
さて、今回は、前回に引き続き、「翼・羽広げのフクロウ」の作品を見ていきます。2作品です。
この2作品のフクロウの表現の仕方は、対極です。ホント違います。どちらも素晴らしいです。どちらが良いというわけではなく、この表現の仕方をぜひ楽しんでくださいね!
それでは、みなさん、『木彫り愛』の心で、リラックスして、気楽にお読みくださいね!
よろしくお願いします。
峰雲民芸作 はばたきシマフクロウ(エンジュ)
峰雲民芸さんの作品です。峰雲民芸さんでは、4人の作家さんたちが共同で、活躍しています。
昔は、とても大きな熊やフクロウの大作を彫り上げていました。
その作風は、とても「ダイナミックで、動きのある独特な彫りと表情」ですね。有名な作家さんですので、木彫りの民芸屋さんには必ずあると思いますよ。
では、何枚か続けて見ていきましょう!材料は、エンジュです。
空中に舞っていたシマフクロウが、狙いを定めて、「バシャーン」と勢いよく、鮭をとる構図です。想像できますよね!
鮭との格闘!
写真4では、尾羽の曲がっている感じが、何と言うか、鮭を捕らえたときの(または捕らえようとするときの)、一瞬の゛急ブレーキ感”をかもし出していますよね。う~ん、味がありますね~!
両翼の感じです。流れるような勢いのある毛並みで、゛動きが、まさに、感じられますね”。
ダイナミックさに圧倒されます!
7枚目は、後ろ側からの写真です。
全体的に、あまり直線がなく、絶えず湾曲しています。だから、゛動きのある”作品になるのでしょうね。
羽の先端が、波を打ったような彫りで表現しているのも、翼が風の抵抗をうけているのを表しているのですね。また、鮭の、獲られまいとする感じもその表情や彫りから伺えますね。
ほんとダイナミックだなぁ~!(何度も同じことを言ってすみません)
龍童作 シマフクロウはばたき2羽(エンジュ)
2つめの作品は、龍童さんの作品です。
有名な作家さんですね。店舗にいらっしゃる常連のお客様は、いつも龍童さんの作品をご覧になって、うんうん、と頷いてから、他の作品を眺めていきます。この、うんうん、に込められた感情は、その人によって異なると思いますけど、なんと言うか、「ここに居てくれてありがとう!」、「まずは、これを(龍童作)見てから」という安心感みたいなものなのかもしれませんね。
先ほどの峰雲作とは、彫り方や表現の仕方が、真逆で、龍童さんの作品は、超「写実的」で、一瞬の静寂が感じられます。
では、早速続けて見てみましょう!
羽の彫り方は、先ほどの峰雲作とは、違いますよね。緻密ですね。もちろん、すべて1本彫りです。材料は、エンジュです。
奥行きがしっかりあります。後ろから見た羽は、外側に反っています。ツメは、枝との間に空間が見られ、(フクロウが)しっかり枝につかまっている様子がリアルにわかります。木目も美しいですね。
左右の羽のバランスの均衡をしっかりとっています。
エンジュ材の中心が尾羽にあります。直径25cmくらいの太いエンジュで彫り上げています。
やっぱり木目は、見れば見るほど綺麗です。
台座の彫り方も注目してみてください。葉っぱを1枚1枚丁寧に彫っています。
最近の彫りでは、どちらかと言うと、台座はシンプルなデザインが多いです。この作品は、台座まで、見事に彫り上げています。
素晴らしいですね~!
昔の熊の木彫りでも(主に表情熊)、台座は、リアルな流木のデザインやブドウのツルなどが絡まっている幹や枝を丁寧に彫ってありました。
以上、今回は、全然タイプの違う「羽広げのシマフクロウ」を見てみました。
どちらが良いとか悪いとかでは、全くなく、鑑賞される人の感覚でいいと思いますよ~。
「動きが感じられる作品」と「超写実的な静寂感を漂わせる作品」でした。どちらも有名な作家さんでした(峰雲作と龍童作)。
それでは、最後まで、お付き合いしていただきまして、本当にありがとうございました!
次回が、「木彫りのフクロウの見方」の最終回となります。少し変わり種のフクロウなどを紹介したいなぁと思っています。
では、みなさん、『木彫り愛』の心で、またよろしくお願いします。
お元気で!
木彫りのフクロウの見方1 台座の彫り方
木彫りのフクロウの見方2 フクロウの数・ツメや目など
木彫りのフクロウの見方3 エンジュ材のフクロウ
木彫りのフクロウの見方4 埋もれ木(神代木)のフクロウ
木彫りのフクロウの見方5 イチイ材・センノキ・クルミのフクロウ
木彫りのフクロウの見方6 羽を広げたフクロウ 技術力
木彫りのフクロウの見方8 ユニークな形のフクロウ
木彫りのフクロウ ⑨フクロウ観音
「”木彫りの熊”好き」の方には読んでほしい~価格の違いがわかる!「木彫りの熊」の見方 基本編1 鮭をくわえた四つん這いの熊(シナノキ)
基本編2 後ろ側の彫り方(肩やおしり)
基本編3 塗装などの仕上げ方について
基本編4 彫り方いろいろ
基本編5 エンジュ材・埋もれ木(神代木)の熊
基本編6 イチイ材・センノキ・クルミの熊
基本編7 覚えておきたい熊の形10種類 前半(1~5)
基本編8 覚えておきたい熊の形10種類 後半(6~10)形が複雑に
基本編9 表情熊について
基本編10 形のユニークな熊
木霊の楽園!北海道!樹木をみよう~(4)イヌエンジュ 阿寒湖編
アイヌ文化とエンジュ(イヌエンジュ)
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